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「常連さん戻るかな」「1時間の緩和では…」 飲食業界に期待と懸念交錯
2021/3/19 09:01

首都圏4都県に発令されている新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言が期限通りの21日で解除されることが正式に決まった。解除に伴い、各都県は飲食店への営業時間短縮要請を現行の「午後8時まで」から「午後9時まで」へと緩和する。「常連さんが戻ってくるかな」「1時間の緩和では不安が残る」−。埼玉県内の飲食業界関係者の間には18日、期待と懸念の声が交錯した。

多くの飲食店にとって、午後7〜8時台は客が集中するかき入れ時だ。上尾市でとんかつ店を営む男性(75)は「午後7〜9時に大半のお客さんが入っていたので、『午後8時まで』となると客足が一気に遠のいた」と宣言発令期間中を振り返る。

 「1時間の緩和だが、お客さんが店に行きやすくなる」と期待を口にするのは、さいたま市浦和区の居酒屋「モッツバー輪・浦和店」店長の原島元さん(48)だ。「肉のメニューを半分ほどに減らしていたが、少しずつ増やしたい」と展望を描く。

 同じ浦和区の居酒屋「やきとん桜扇」店長の小堀誠さん(50)も「午後9時までに延びれば常連のお客さんも戻ってくるかな」と語る。ただ、続く言葉で「感染拡大の影響で生活習慣が変わった人も多い。どこまで客が入るか分からない部分もある」とも述べ、外食を敬遠する風潮の広がりへの不安を口にした。

 「がってん寿司」などを展開するRDCホールディングス(熊谷市)の幹部は「1時間程度の緩和では売り上げ回復には不安が残る」。「ファミリー食堂山田うどん食堂」などを展開する山田食品産業(所沢市)の広報担当者も「1時間延びたからといってすぐに客が戻るわけではない」と慎重な見方を示した。