[FT]英EU離脱、延期の可能性大に
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英議会下院の議場に息をのむ声が響き渡った。
これほど広く予期されていた事態がこれほどの衝撃を引き起こすことは、めったにない。
メイ首相の負けっぷりは、まさに息をのむスケールだった。重要法案では
史上最大の政府の敗北だ。メイ氏の欧州連合(EU)離脱協定案は3分の1の議員の
支持すら得られなかった。通常の時期であれば、すでに辞意表明しているだろう。
最も厳しい予測さえも超える敗北だった。
大半の議員は100〜200票差と見通していたが、メイ氏は230票差で敗れた。

それでもメイ氏は16日、労働党のコービン党首が提出した内閣不信任案に対し、
10週間後に期限が迫るEU離脱交渉を進めるのに自分が最適任者で
あることに変わりはないとして立ち向かう。

大半の議員が見通しているように、メイ氏はコービン氏の不信任案を退けられるとしても、
英国は現下の最重要課題を管理できない首相を追い出せない状況に立たされることになる。
英国は合意なしのEU離脱に突き進んでいるという不安が高まるだろうが、
実際には、15日夜の採決で強硬離脱派は最高潮に達したという結果になるかもしれない。
メイ氏の計画をたたきのめした強硬派は今、同氏がEU残留派に働きかけるのを
座視しなければならない。強硬派が求める「合意なし離脱」よりも、柔軟なEU離脱、
さらには「離脱なし」の可能性のほうが高そうな状況だ。