川崎市とJR東日本は17日、JR武蔵小杉駅と駅周辺の混雑緩和のため、同駅横須賀線ホームを増設するとともに新しい改札口を設置すると発表した。
2023年度の供用開始を目指す。同駅周辺では大規模タワーマンションの建設が相次ぎ人口が急増。朝の通勤時間帯の駅と列車内の混雑が大きな問題に
なっていることから協力して対策に取り組む。

 武蔵小杉駅には東京急行電鉄東横線とJR南武線が乗り入れるほか、2010年にJR横須賀線のホームが開業し、東京駅や品川駅と直接結ばれた。
現在、横須賀線は一つのホームの両側に上り線と下り線がある「島式ホーム」(1面2線)になっている。新たに東側へ下り線専用ホームを増設し、
現在のホームは上り線専用(2面2線)に変更する。

 下り線ホーム新設の事業費はJR東日本が負担するが、金額は未定。必要な土地はNECの所有地を買収する。

 新しい改札口は横須賀線ホームの東京寄り側(北側)に設置。周辺の道路整備と併せて新改札の事業費は川崎市が負担する。事業費は20億〜30億円程度
になる見通し。新改札の供用開始は新ホームの完成後になる。

 現在、東急東横線とJR横須賀線を乗り換える利用客は南武線ホームを経由して移動する場合が多く、一部はいったん駅の外へ出て横須賀線の新南改札
との間の道路を歩いている。新改札の設置で3つ目の乗り換えルートができることになり、乗り換え客の4割程度が新改札を利用すると見込んでいる。

 JR武蔵小杉駅は南武線のみの時代の1日当たり乗降客数が15万〜16万人だった。横須賀線の開業が正式に決まった05年時点では、開業後に同18万人まで
増えると想定していたが、予想以上の人口急増で17年度の実績は26万人に達した。

 JR東も混雑緩和のため、18年4月に新南改札の入場専用臨時改札やエスカレーターを設置したり、南武線下りホームを一部拡幅したりするなどの対策を
進めているが、抜本的な解決には至っていない。新ホームなどができる23年度までの間でも「基本的に今後も利用客は増える見通し」(福田紀彦・川崎市長)だ。

 列車の増発は「線路容量(単位時間当たりに運行可能な列車の本数)が既にいっぱいで困難」(広川隆・JR東日本横浜支社長)という。

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https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3307925017072018L82000/