50年以上、球団数は12だった。

 NPBは1958年(昭和33年)以来、長きに渡って12球団で成り立っている。1993年と1998年に2球団ずつ、計4球団が増えて30球団となったメジャーリーグとは比較にならないぐらい小規模で行われている。

 「米国と日本とは、国土の広さも人口も違うのだから当然だろう?」

 このような意見も承知だが、例えば日本のプロサッカー=JリーグはJ1で18球団、J2で22球団の計40球団もある(J3は必ずしも選手全員がプロ契約でなくてもいいので、ここでは含まない)。

 「NPBとJリーグでは経営規模が違うし、J2を含めるのは筋違いだろう」

 それもその通りなのだが、今回の主題はそこではない。

 理想論かもしれないが、我々は結局、自分の子孫を含む次の世代に何を残すのかを念頭に置いて生きている(と信じる)。そして、プロスポーツのチームに存在意義があるとすれば、子供たちに夢を与えることがその1つだ。

 では、子供たちに夢を与えるとは何か? 

 本拠地のある地域に住む子供たちに、プロの素晴らしいプレーを見ていただいて……という曖昧なことではない。雇用機会である。


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プロ野球は12球団のままでいいか。「選手の雇用機会」という観点。
12/23(日) 8:01配信

プロ野球とJリーグの選手数。

 プロ野球は現在、支配下選手として保有できるのが1球団70人までと決まっている。つまり最大で12球団×70=840人だ。今年2月の報道によるとNPBに登録された選手は905人(うち育成は107人)だった。

 一方でJリーグは1球団30人前後(今季J1優勝の川崎とJ2優勝の松本山雅はともに33人)なので、単純計算でJ1は18球団×30=540人、J2は22×30=660人なので、その数は合計で1200人前後に達する。

 単純にプロ野球選手の雇用機会は、プロサッカー選手に比べると少ないのだ。

 雇用機会が少なければ、子供たちがプロ野球選手よりプロサッカー選手を目指す方がハードルが低くなる。加えて、周りの大人がプロになれる可能性が高い方の競技を勧めるケースも出てくるだろう。

軟式野球をする子供の激減。

 2018年12月、平塚市中学野球普及強化実行委員会主催の野球普及事業「平塚やきゅフェス」が開催された際の報道によると、軟式野球をする子供たちの数は2011年度の約40万人から、5年後には約30万人まで減少したという。5年間で約25%も減少したのだ。少子化を考えれば、かなり危うい状況である。

 NPBは今年、観客動員数を過去最高の2555万719人を記録したそうだが、軟式野球の現状を考えれば、競技人口につながっていないとも思う。

 NPBや名球会は各地で野球教室を開催し、選手個人でも野球の普及に尽力している。だが競技人口の減少は、もはやそういうレベルでは対処できない事態になりつつあるのではないか。

 ちなみに前述した提言では、静岡、北信越、四国、沖縄といったプロ野球不毛の土地に新球団を作ることで、市場拡大と地域活性化を見出すとしている。ただそれらの地区ではプロサッカーがすでに進出した県がほとんどで、Jリーグが身近にある。

一部抜粋

12/23(日) 8:01配信 ナンバー
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181223-00832919-number-base&;p=1