サムスンはプロセッサーSoCで巻き返せるか、TSMC製採用の異常事態
2023.05.30 日経クロステック

韓国Samsung Electronicsが、スマートフォン用メインICであるプロセッサーSoC(システム・オン・チップ)で崖っぷちに追い込まれている。
自社製SoCが抱える問題を解消できず、自社のスマホ旗艦機種において米QualcommのSoCを全面的に採用した。
しかも、そのクアルコムのSoCを製造するのは、ファウンドリー(製造受託)で競合する台湾積体電路製造(TSMC)だ。
窮地のサムスン電子は、自社製SoCの再搭載に向けて巻き返しを図る。

サムスン電子は、2023年2月に発表したスマホ新製品「GalaxyS23」でメインプロセッサーSoCにクアルコムの「Snapdragon8」の第2世代品を採用した。
S23の1つ前の「S22」では、同8の第1世代品と自社製SoC「Exynos(エクシノス) 2200」を併用していた。
だが、Exynos 2200は発熱による低パフォーマンスがかねて指摘されていた。スマホの競争力を優先してクアルコム製SoCに全面的に切り替えた格好だ。

サムスン電子の半導体部門にとってさらに屈辱的なのは、Snapdragon 8の第2世代品をTSMCが造っていることである。
第1世代品の製造はサムスン電子が受託していたが、第2代品はTSMCが受託した。
第1世代品や第2世代品でも採用された最先端の4nmプロセスで、サムスン電子がつまずいたことが響いているとみられる。

https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00001/08039/