工場勤務しながら本社業務を「副業」、給与にも反映…ガラス大手AGCが4月導入
2023/01/07 12:30

 ガラス大手AGCは、社内の他部署で副業ができる「社内副業制度」を4月に導入する。収入の増加が見込めるほか、新しいスキルを身につける機会を作り、社員の意欲を高めるのが狙いだ。新入社員を除く全社員を対象に今月から募集を始める。

 新制度では社員が行きたい部署を選び、社内選考で認められれば副業が可能になる。副業時間は残業扱いとなり、給与に反映される。所属部署の労働時間の最大2割分を、副業の勤務時間に振り替えることもできる。期間は最長1年半とする。

 オンラインを活用した副業も可能で、地方の事業所や工場に勤務しながら本社(東京)の業務を副業でできる。昨年制度を試行した際は、愛知県で勤務する社員が、オンラインで本社人事部の仕事に取り組んだこともあるという。

 調査機関「Job総研」が昨年7月、全国の社会人を対象に行った調査では、副業・兼業を望む人は9割に上った。副業を望む理由は「収入を上げるため」(84・7%)が最多で、「スキル向上」(37・8%)が続いた。政府や経済界は、社員が変化の激しい時代に合わせて新たな知識や技術を身につけられるよう、「リスキリング」(学び直し)と共に副業・兼業を推進している。

 社内副業制度は人材流出を防ぎつつ、スキルの向上で新規事業の創出や競争力強化が期待できる。国内では、パナソニックホールディングスやKDDI、リコーが既に導入している。

https://www.yomiuri.co.jp/economy/20230107-OYT1T50009/