火垂るの墓を歩く会 兄妹と風景、重ねて
毎日新聞 2022/11/7

作家・野坂昭如の神戸空襲をテーマにした小説「火垂(ほた)るの墓」に描かれたスポットを歩きながら戦争の歴史について学ぶ「第23回火垂るの墓を歩く会」が10月23日、神戸市であった。神戸、西宮、明石市などから約15人が参加し、秋晴れの下、約2・5キロを歩いた。

 火垂るの墓は空襲で母を失った兄と妹が悲劇的な死を迎える姿を描く。野坂自身の体験が反映されており、アニメ化もされた。尼崎市立地域研究史料館の元館長、辻川敦さん(62)らが1998年に「子どもたちに戦争のことを学んでもらいたい」との思いから実行委を結成し、99年からウオークイベントを始めた。

 歩く会は、神戸市東灘区で小説や映画の舞台として登場する御影公会堂や、モニュメントがある石屋川公園を巡る御影コースと、西宮市の火垂るの墓記念碑や空襲で母を亡くした兄妹がホタルを見たニテコ池、西宮回生病院などを歩く西宮コースの2ルートが設定されている。

https://mainichi.jp/articles/20221107/ddl/k28/040/145000c