『DMV』という乗り物をご存じでしょうか。12月下旬、世界初だという営業運行が徳島県で始まります。12月14日にメディア向けの試乗会が行われたのですが、一体どんな乗り物なのでしょうか。

 徳島県最南端に位置する海陽町。雄大な太平洋を臨むのどかな町が今沸いています。

 (記者リポート)
 「世界初が走る町。DMVの始発地点となるこちらの施設には、こうした横断幕が至る所に設置されているほか、自販機までもDMV一色。地域の期待の高さが伺えます」

 子どもたちも待ち望んでいた乗り物、阿佐海岸鉄道が導入する『DMV(デュアル・モード・ビークル)』です。一体、どんな乗り物なのか。

 (記者リポート)
 「車内はマイクロバスとほとんど変わらないような気がしますが、運転席を見てみると、少し機械類が多いような気もします」

 実はこの乗り物、1台で「バス」と「鉄道」の両方に変身できるんです。12月25日に開始する営業運転では、海陽町と高知県東部を通る約15kmの区間のうち、5kmは「バス」として道路を走り、10kmは「鉄道」として線路を走ります。

 では一体どうやってバスから鉄道に切り替わるのか。バスモードで駅に到着すると、車体の下に格納されている金属製の車輪が登場します。

 (車内のアナウンス)
 「ただいまから鉄道モードにモードチェンジを行います」

 車内では地元の高校生が演奏する「海南太鼓」のBGMが車内を盛り上げながら約15秒で鉄道モードに切り替わりました。乗り心地は、ガタンガタンとレールのつなぎ目を感じることもでき、鉄道らしさが楽しめます。DMVが本格的に導入されるのは「世界初」ということですが、なぜ海陽町なのでしょうか。阿佐海岸鉄道の井原豊喜専務は次のように話します。

 (阿佐海岸鉄道 井原豊喜専務)
 「人口減少が進む過疎地域ではあるのですが、ほかに走っていない乗り物ということで色んな方に興味を持っていただいて、DMVを観光の起爆剤にしたいんですよね」

 バスの購入と改造などで1台約1億4000万円かかるものの、燃料費などの運用コストは鉄道よりも安くなるというメリットもあります。DMVに乗車した地元の人たちは次のように話します。

 (DMVに乗車した人)
 「景色も良かったし、スピードも速くなくゆっくりで」
 「世界初でしょ。これが海陽町にあるというのはすごいことやなと思って。ワクワクしています」

 地元の期待も乗せて走るDMVが海陽町の新たな顔となる日が来るのでしょうか。

https://www.youtube.com/watch?v=D5gE_3rGv9A
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