世界初「電気を運ぶ船」建造へ 船を海底ケーブルの代わりに 目指すは自然エネの“爆発的普及”
2021.08.18 乗りものニュース

自然エネルギーの普及を目指し、世界で例のない「電気運搬船」を建造する日本発のプロジェクトが始まりました。
電気をつくる、貯める、運ぶの一本化を実現する極めて壮大な計画です。
世界に例のない「電気を運ぶ船」を建造する壮大なプロジェクトが日本で始まります。

パワーエックスは、ZOZOの取締役兼COOを退任した伊藤正裕さんが3月に設立した新しい会社。同社が掲げた事業は大きく
2つあり、ひとつが、電気を運ぶ船「パワーアーク」の自社開発、もうひとつが、国内に大型の蓄電池工場を建設することです。

このうち電気を運ぶ船は、コンテナ型の蓄電池に電気を貯めて船で「送電」するという発想で、洋上風力発電所の拡大をにら
んだもの。従来、発電所から陸までは海底ケーブルで送電されていましたが、船が海底ケーブルの代わりになるといいます。

「より風の強い沖合へ洋上風力を建設することが容易になります。高圧の電気を通す海底ケーブルの建設は、環境面の負荷
も大きいものですが、電気運搬船はケーブルより送電コストも安く、早期に送電を実現することが可能です」(伊藤社長)

初号船に予定している「パワーアーク100」は船長約100m、船舶コンテナ型の蓄電池を100個搭載し、220MWhの蓄電が可能。
これはおおよそ1都市(2万2000世帯)の1日分の電気だそうです。災害時に大規模な停電などが発生した場合、「船が有事の
電源になる」とのこと。

より大型の船も計画しており、コンテナ3000個を積める全長220m級の船であれば、5660MWhの電気を運搬できるとのこと。
船の航続距離はパワーアーク100で100〜300kmだそうですが、これは電気推進のみの場合で、クリーンディーゼルなどの
燃料を組み合わせることで1000kmの航行も可能になる見込みだそうです。

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