原田 そもそもの背景としては、バンナムの代表取締役社長が、宮河(宮河恭夫氏)に変わったときに、「プロデューサーやクリエイターの発信力を上げてファンと向き合おう」という方針になったんです。たとえばゲームファンの人たちならば、カプコンさんやスクウェア・エニックスさんなどを頭に思い浮かべたとき、おそらくその会社の代表的なクリエイターも頭に浮かぶでしょうし、だからこそその会社にファンが集まると思うわけです。ただ、バンナムって案外それがないんですよ。いや、もちろんマニアックなファンの方は知っているとは思いますが、社内では正直そこは弱点だよね、と言われていました。

 これまでも各クリエイターが発信や告知はもちろんしていましたが、「来週からCMが始まります」ですとか、本当に告知だけなことが多かったんです。もっと直接本音でファンに語り掛けるべきだ、というところで、各ゲームやプロデューサーの発信チャンネルを増やそうというプランが挙がりました。というのが最初の発端です。

――とはいえ、原田さんはそれ以前から表に立つことが多かったですよね。

原田 そうですね。僕は『鉄拳』シリーズに限らず、イベント出演も多いですし、Twitterでファンとの交流もしています。おそらく、対戦格闘ゲーム界隈では“『鉄拳』の原田”として知られているとは思います。実際には当然もっと多くのタイトルに関わっていますが、“『鉄拳』の原田”というイメージがあるため、ほかのタイトルに色が付かないように隠れていることも多いです。

画像
https://i.imgur.com/wOz6bfH.jpg

https://s.famitsu.com/news/202104/02216329.html