「板門店での米朝首脳会談を前に、北朝鮮は米国に『今後の核関連協議では韓国が外れた方がいい』と要求した」という報道があった。

 米国務省のスティーブン・ビーガン北朝鮮政策特別代表が韓国の複数の与党関係者にこうした北朝鮮側の言葉を伝え、「北朝鮮は米国との二国間協議によって非核化交渉をスピーディーに進めたいと考えている」と語ったというものだ。
 北朝鮮は公に、文在寅(ムン・ジェイン)大統領に向かって「差し出がましく割り込んで来るな」と言ってきており、この報道は事実だろう。

 偶然にも同じ日、日本の安倍首相は番組インタビューで、「主要20カ国・地域(G20)首脳会議で文大統領と会ったら、日米関係の助けになるのでは」という質問に、「そういうことはない。
 今、北朝鮮に最も影響力があるのは習近平中国国家主席とトランプ米大統領だ」と答えた。文大統領は北朝鮮に対してこれといった影響力がないということだ。

 事実、板門店会談で韓国は排除された。韓国領土で行われた米朝会談に、韓国大統領はあっせん役も与えられなかった。
 会談場所には星条旗と北朝鮮国旗だけが掲げられた。「韓国パッシング(外し)」との指摘を意識しているかのように、韓国大統領府は「トランプ大統領は文大統領に耳打ちした」「金正恩(キム・ジョンウン朝鮮労働党)委員長が
文大統領の手を握って感謝の言葉を述べた」という話を流しているが、苦し紛れの言葉にしか聞こえない。

 安倍首相が韓国大統領を公の場でおとしめた外交的欠礼は問題だが、韓国の影響力に対する判断は何の情報もなしになされたわけではいないだろう。

 事実、文大統領が南北間で水面下の協議が行われているかのように話すと、北朝鮮外務省の局長が「何もない」ときっぱり否定した。
 この局長は「朝・米関係は、我が委員長同志と米大統領との間の親交関係に基づいて進められている。南朝鮮当局を通すことは絶対にないだろう」と言った。

 ビーガン米国務省代表も「(米朝会談に先立ち、水面下の交渉が全くなかったのにもかかわらず)
文大統領はなぜあのような言葉を言ったのか分からない」と話したという。

http://www.chosunonline.com/m/svc/article.html?contid=2019070680016