近年、日本でもサトウキビからつくるバイオ燃料が注目されつつある。
そんななか、ストックホルムに本拠をおくスタートアップNextFuelが、草やサトウキビからエネルギーを安価に大量生産する技術を開発した。
NextFuel社は、2018年12月にポーランドで開催された国連気候会議(COP24)で、この画期的燃料についてプレゼンを行った。

原料は、エレファントグラスやサトウキビなどだ。エレファントグラスはイネ科の植物で、荒廃地でもわずか100日で高さ4mに成長し、1年のうち何回も収穫できる。
これらを乾燥させて、特許取得済の炉に入れると30分以内で燃料ができる。

この燃料は、現在のエネルギーインフラ設備と同じ設備を使用できるため、政府の補助金などに頼らずに化石燃料と価格面で競合できる。
また、化石燃料からの燃料切り替えも簡単で原料も豊富にあることから、大量生産が可能だ。

NextFuel社の燃料の大きな特徴は、CO2ネガティブを達成していることだ。
これは、燃焼時に排出されるCO2が、草が育つときに大気中から吸収するCO2より少ないためである。
このプロセスは、世界で最も安価なCO2回収方法だという。工場への多額投資の代わりに、企業は草を植えるプロジェクトに投資できる。
エレファントグラスやサトウキビの栽培面積が大きくなって、燃料が増えるほど、大気中からより多くのCO2を回収できるのだ。
NextFuel社が開発した画期的な燃料。安価なクリーンエネルギーの安定供給という課題への大きな解決策になりそうだ。

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