水素燃料電池で走るトラックを開発中のニコラ・モーターが、世界第三位のビール製造会社アンハイザー・ブッシュから
800台のトラックを受注しました。納車時期は2020年。アンハイザー・ブッシュはテスラに40台のテスラ・セミを発注
済みで、テスラとしては将来の受注をニコラ・モーターに奪われた格好です。

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とはいえ、アンハイザー・ブッシュは2025年までに配送用トラックを再生可能エネルギー使用のものに切り替えていく
方針であり、さしあたっていま現在EVもしくはFCV方式のトラックを用意している2社からトラックを用意することで、
初期的な故障修理やリコールなどのリスクを分散できます。

また、ニコラ・モーターのFCVトラックは水素燃料をフルタンクで500マイル(約800km)から1200マイル(約1930km)もの
航続距離を有します。一方、テスラのEVトラックの場合は最大500マイルとされることから、走行距離に最適なトラックを
用意するのかもしれません。

ニコラ・モーターのトラックに関する懸案事項としては水素ステーションの少なさがあげられます。
ニコラは2028年までにステーションを700か所設置する計画です。それでも長距離物流におけるF
CVトラックはEVトラックよりもはるかに適していると言えるでしょう。

またアンハイザー・ブッシュのような企業がニコラ・モーターのトラックを導入することで潜在的顧客に
信頼感を与えることもできることから、これがさらなる受注につながることもありそうです。

蛇足ですが、トラック分野でテスラに先行していたニコラ・モーターは先日、そのトラックのデザインを
盗用したとして、テスラに20億ドルを求める訴えをおこしました。言われてみれば、たしかにピラーレスで
左右に回り込むフロントガラスや、目立たなくデザインされたドアなどが似ているような気もしないでもありません。

https://japanese.engadget.com/2018/05/04/800-40/