2023.10.26 16:00
マネーポストWEB
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 音楽好きに愛されてきた「CDレンタル」という文化が、いよいよ終焉を迎えつつある。都内最大級の在庫数を誇った『SHIBUYA TSUTAYA』は10月16日で店頭レンタルを終了。TSUTAYAのみならず同業各社も縮小の一途をたどっており、業界が丸ごと消えそうな勢いだ。

 音楽サブスクのラインナップにはあらゆるジャンルのアーティストが揃い、ネットでもいくらでも音楽を聴ける時代、いまだにCDレンタルを利用しているのはどんな人たちなのか。愛好家たちに“レンタルにこだわる事情”について聞いた。

 Yさん(40代/男性)は、上述・渋谷TSUTAYAのヘビーユーザーだった。

「私はハードロックやプログレが大好き。好きなバンドのCDは買いますが、ちょっと聴いてみたいというレベルのバンドはレンタルです。サブスクに入れば、そういったバンドを全てチェックできることは知っていますが、私は歌詞をチェックしたいし、ライナーノーツも読みたい。日本盤についている音楽評論家の解説は読み応えがあり、それで音楽の幅が広がりました。

 財布に余裕があればCDを買いたいのですが、気になるバンドを片っ端から買うのはキツい。ただ、“手に入れた”という感覚は欲しいので、CDを借りてパソコンに取り込む作業は自分には重要です」

 Iさん(40代/男性)は“二度買い”を避けるため、CDレンタルを利用してきた。

「地方から東京に出てきて、まず困ったのが音楽ライフのあり方でした。実家には買い溜めたCDが1000枚以上ありますが、一人暮らしの部屋は狭いのでCDは実家に置きっぱなし。同じCDをもう一度買うのは悔しいので、好きなCDが聴きたくなるといつもレンタルでした。

 自分の場合、レンタル店で“棚から選ぶ”という行為も重要です。10代の頃からCDショップに通い詰めてきたので、棚から選ぶ作業が楽しいんですよね。サブスクに入ったこともありますが、好きな時に好きなだけ聴ける状態だと、意外と聴かないもので……。わざわざ借りて、◯日までに返すという手間が私には必要なようです」

 Kさん(50代/女性)がレンタルを利用する理由はシンプルだ。

「レンタルCD店に行くのは年に3~4回。音楽番組を見て気に入ったアーティストがいると、そのアーティストのCDを探しに行っています。CDは高いですし、サブスクに入るほど音楽を聴くわけでもないので、私にはレンタルがちょうどいい。それに、私が好きなアーティストはサブスクに入っていないことが多いですし。

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