2023.02.13

今やアニメ映画で俳優・女優がアテレコすることは珍しくありません。メディア露出の増加はもちろん、彼らのナチュラルな声質が作品の魅力になることもあります。とはいえ、ネット上では「注目度重視の起用はやめろ」「演技力が気になる」との辛辣な声も......。今回はネームバリューの高い俳優・女優がアテレコした作品を3つ紹介します。

俳優・女優の起用が巻き起こす話題性と批判の声

 アニメ映画の声優に俳優・女優を起用するのは、業界の慣例となっています。商業的な側面がある以上、幅広い層から作品を認知してもらう必要があるからです。

 一方、彼らの生っぽい発声や表現方法の影響か、「棒読み」「作品に合わない」などと批判されるケースも見られます。アニメでは抑揚のあるデフォルメされた表現が一般的で、ナチュラルな演技は逆に不自然に映ってしまうようです。

 以下では、俳優・女優がアテレコした有名作品を3つ紹介します。「結局は演技力次第」という肯定的な感想もあれば、ゲスト起用が苦手な人もいます。皆さんはどのような意見をお持ちですか?

●豪華キャストも話題となった『ハウルの動く城』

 ジブリ映画『ハウルの動く城』では、主要キャラのソフィーを倍賞千恵子さん、ハウルを木村拓哉さんが演じるなど、豪華なキャストも話題になりました。

 声優陣への評価としては、やはり日常芝居的な声質に疑問を持つ人や、俳優の顔がチラついてしまう人が散見されます。元来、ジブリ作品はタレント起用が多いですが、本作品はキャストのネームバリューも相まって、視聴者の抵抗感が生まれた可能性があります。

 ただ、全体的には好意的な意見が多く、彼らの演技が作品の魅力につながりました。特に倍賞千恵子さんの演じ分け(若い頃・老婆のソフィー)や、木村拓哉さんの役へのハマり具合が印象的だったようです。

●劇場版『ポケットモンスター』と関わりの深い中川翔子さん

 歴代ポケモン映画の声優は、本職が声優でない方が多数担当しています。最新作の『劇場版ポケットモンスター ココ』には、女優の上白石萌歌さん、歌舞伎役者の中村勘九郎さん、そして中川翔子さんが出演しました。ポケモンガチ勢の中川翔子さんに至っては、本作で13作目の出演です。

 中川翔子さんは過去に同作のアテレコ現場で、野沢雅子さんから賞賛を受けるなど、声優としての能力を高く評価されています。ネット上には彼女の声優活動を批判する声もありますが、演技力自体を否定しているわけではなさそうです。国民的タイトルの声優を手広く担当されているためか、作品愛を疑問視されたり、タレントイメージがバイアスになったりしている面もあるでしょう。

●『名探偵コナン』では棒読みがネタにされてしまうことも

 劇場版の『名探偵コナン』は2023年で第26弾を数える国民的アニメ映画です。第13弾以降は、名前のついたキャラクターにゲスト声優が起用されるようになりました。

 ゲスト声優に関するニュースやトークイベントの反響を見る限りでは、演技力さえあればファンから受け入れられる場合が多いです。実際に『名探偵コナン 緋色の弾丸』に出演された浜辺美波さんの演技は、ゲスト声優にありがちな違和感がないというポジティブな感想が大多数でした。

 一方、ゲスト声優の演技が拙いとファンの怒りや笑いのタネとなってしまいます。過去作の口コミを確認すると、「プロの声優だったらもっと良かった」「せめて重要なキャラ以外に配役して」といった意見がありました。

 余談ですが、大ヒットした『ONE PIECE FILM RED』では主要キャラを本職の声優に任せ、それ以外でゲスト声優を起用しています。作品の品質とプロモーションを両立した好事例だと言えるのではないでしょうか。

 アニメファンの皆さんは、どのような声優起用をするのがベストだと思いますか?

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