6/2(木) 10:02
オリコン

伊藤健太郎、2年ぶりの映画出演で気づき「周りには意外と手を差し伸べてくれる人がいる」

 阪本順治監督のオリジナル脚本で、人間の業を切なく儚く描いた映画『冬薔薇(ふゆそうび)』(6月3日公開)より、主演を務める伊藤健太郎が撮影への意気込みや名優たちとの共演などを語ったインタビュー&メイキングをおさめた特別映像が到着した。

 2年ぶりに出演する映画が公開される伊藤。阪本組の撮影現場を「いろいろと細かく指導してくださるので、すごくおもしろい」と、語る。阪本監督が伊藤との話し合いを経て、当て書きした渡口淳というキャラクターについては「10代の時の自分とかぶるので、淳の気持ちがすごくわかる。生きてきた環境は全然違うんですけど、気持ちの部分としては、すごく理解できる部分、寄り添える部分が多いなと思います」と、役作りへの自信を覗かせた。

 そして、「泥臭くお芝居を続けていきたい。失うものは何もない」と強い言葉で覚悟を示しながら、「今回の現場はスタッフさんもそうですけど、大御所の方や以前お仕事させていただいた方々がたくさんいらっしゃるので、今の自分をよくなったなと思ってもらえるように頑張っていきたい」と、意気込みを語っている。

 淳の父親・義一を演じた小林薫については、「(芝居が)すごく胸に刺さって心に響く。こんな味を出せる役者さんに自分もいつかなれたらいいなと、間近で勉強させてもらいました」と語り、淳の母親・道子を演じた余貴美子とは、カメラのまわっていないところでもたくさん会話をしたようで、「すごく優しくて、本当にお母さんとお父さんという感じだった」と、二人との共演を回想。

 冬に咲く薔薇と書いて、“ふゆそうび”と読む印象的なタイトル。そのイメージは「孤独」でまさに淳のようだと語る伊藤は、「孤独の中でどこかに自分の居場所を探すようなタイトル」と撮影前は感じていたという。しかし、撮影後にはそのイメージは少し変わったようで、「最初は本当に“孤独”と思ってたんですけど、周りには意外と手を差し伸べてくれる人たちがいる。淳が気づけていないだけで、実はそこまで孤独じゃないんじゃないか。僕自身もそのことに気づかされました」と感慨深げ。そして、「ラストカットが象徴している」とも話していた。

 同映画は、ある港町を舞台にした、それぞれに心の欠損を抱えた寄る辺なき者たちの物語。主人公は、専門学校にも行かず、半端な不良仲間とつるみ、友人や女から金をせびってはダラダラと生きる、“ロクデナシ”という言葉がよく似合う中途半端な男、渡口淳(伊藤)。両親の義一(小林)と道子(余)は埋立て用の土砂をガット船と呼ばれる船で運ぶ海運業を営むが、時代とともに仕事も減り、後継者不足に頭を悩ましながらもなんとか日々をやり過ごしていた。淳はそんな両親の仕事に興味も示さず、親子の会話もほとんどない。そんな折、淳の仲間が何者かに襲われる事件が起きる。そこに浮かび上がった犯人像は思いも寄らぬ人物のものだった…。

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