12/24(金) 5:15配信
東スポWeb

マリナーズからFAとなった菊池雄星(ロイター=USA TODAY Sports)

 マリナーズからFAとなった菊池雄星投手(30)の去就が注目されている。FA市場へ出た左腕に対しては、メッツやブルージェイズなどメジャー複数球団が獲得に興味を示していると伝えられているが、MLBのロックアウト突入で先行きは不透明。長期化すれば菊池側も4年ぶりの国内復帰を視野に入れざるを得なくなることから、MLB関係者の間では「NPBなら西武ではなく楽天入り」との見方が強まっているという。

 菊池の目がメジャー他球団へ向けられているのは、まぎれもない事実だ。FA市場では常時150キロ後半をマークする直球と急角度で変化するスライダーなどを主武器とする左腕には今季前半戦でのブレーク≠熏b「評価材料となっており、MLBの複数球団が強い興味を示している。

 米メディアの間ではメッツやブルージェイズが獲得に乗り出すと伝えられており、さながら菊池争奪戦≠ェぼっ発しそうな気配。2年2000万ドル(約22億6000万円)と当初予想していた相場を上方修正する報道も見られ、水面下では条件面も高騰している模様だ。

 だが機構側と選手会の新労使協定をめぐる交渉が決裂したことでMLBは現地時間の2日からロックアウトに突入しており、この間はFA市場も凍結され、あらゆる交渉が一切できなくなっている。マンフレッド・コミッショナーが「合意に至ると思う」と述べるなどMLB側には楽観視する声も多いとはいえ、このまま新協定が妥結されない状況が続くとなると来季は開幕が延期されるか、あるいは最悪のケースとしてシーズン中止の事態にまで発展する恐れも出てくる。

 こうした背景からMLB関係者の間でも「ワーストシナリオ≠避ける意味において、菊池側は早い段階でNPB復帰も選択肢に入れざるを得なくなるだろう」と予想されている。その中でもNPBに強い人脈を持つメジャー球団スカウトの1人は、菊池が4年ぶりの国内復帰を決断した場合「日本の楽天が獲得に名乗りを上げるはず。そのように見ているMLB関係者は少なくない」とし、こうも続けた。

「楽天にMLBの球団とマネーゲームで対等に渡り合える資金力があることは、昨オフの田中将大の獲得で立証済み。西武が日本時代から、はるかに高騰したサラリーを用意してまで再獲得に乗り出すとは考えにくい。今季はリーグ優勝を逃し、CSでも敗退した楽天にとって菊池はビッグディール≠ノなったとしてもノドから手が出るほど欲しい戦力だろう」

 しかも菊池は、東北楽天の地元≠ナある岩手・花巻東出身で、GMも兼任する石井監督とは西武時代、プロ1年目から4年間にわたって先輩後輩の間柄だった。前出の関係者も「MLBでもタフネゴシエーター≠ニして有名な石井さんなら、菊池本人はもちろん、菊池の代理人を務めるスコット・ボラス氏ともうまく交渉をまとめられるのでは」と見通しを語った。

 楽天にとって今オフの懸案事項だった田中将の残留はすでに決定済み。石井GM兼監督は若手の台頭を促しつつ、今オフの大型補強に消極的な姿勢を示しているが、田中将、菊池のメジャー左右二枚看板≠ェ揃えば、杜の都に世界最高クラスの投手王国が構築されることにもなる。

 今季はリーグ3位に終わり、CS敗退で下克上・日本一も逃した楽天。菊池獲得で来季リベンジのシナリオを描いているのか。その動向から目が離せない。

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https://news.yahoo.co.jp/articles/a91e79a65e859bdeba4fd085d7e3bc112e6dff98