1979年の邦画興収1位の大ヒット作

 新しい世界へと旅立つ少年の高揚感、そして心の痛みを伴う大人への成長を鮮やかに描いたのが、SFアニメ『銀河鉄道999』です。『宇宙戦艦ヤマト』(1977年)のキャラクター&メカデザインで大人気を博した人気漫画家・松本零士氏が1977年から「週刊少年キング」で連載した同名マンガを原作に、フジテレビ系で1978年〜1981年にTVアニメシリーズが放映されました。1979年8月には劇場版『銀河鉄道999 The Galaxy Express 999』が公開され、その年の邦画興収第1位となる大ヒットを記録しています。

 2021年1月31日(日)には「日曜アニメ劇場」(BS12)にて、夜7時から劇場版『銀河鉄道999』が放映されます。ゴダイゴが歌う主題歌に、懐かしさを覚える人も多いのではないでしょうか。

 不朽の名作アニメとなった『銀河鉄道999』を語る上で、決して忘れることができないのが謎多き美女・メーテルです。主人公を旅へといざなうメーテルとは、何者なのでしょうか?

母親によく似た美女・メーテル
 格差社会が激しくなった未来の地球。母親を機械伯爵に殺された少年・星野鉄郎(CV:野沢雅子)は、永遠の時間を生きることができる機械の体を手に入れ、機械伯爵に復讐することを誓っていました。そんな鉄郎がメガロポリスステーションで出逢うのが、ロシアふうの黒い帽子に黒いロングコートをまとった美女・メーテル(CV:池田昌子)でした。母親によく似た面影のメーテルに、鉄郎は思わず見入ってしまいます。

 警察に追われる鉄郎をメーテルはかくまい、しかも旅に同行してくれれば銀河鉄道のパスポートを渡すと持ちかけます。機械の体を手に入れるためにはパスポートが必要ですが、鉄郎にはパスポートを買うお金はありません。渡りに船です。かくして家族のいない孤独な少年・鉄郎は、謎めいた美女・メーテルと銀河旅行に旅立つのです。

 さまざまな星に立ち寄るなか、機械の体を手に入れたものの後悔している人、鉄郎と同じように機械伯爵を憎んでいる人……、いろんな事情を抱えた大人たちに遭遇します。『宇宙海賊キャプテン・ハーロック』のハーロック、その相棒・トチロー、『クイーン・エメラルダス』の女海賊エメラルダスといった、松本零士作品でおなじみの人気キャラクターたちも登場します。

 ただの無鉄砲で、怖いもの知らずなだけだった鉄郎は、多くの人たちとの出会いと別れを重ね、少しずつ大人への階段を昇っていくのでした。

男性なら誰もが抱く「理想の女性」像

「機械の身体を手に入れる」旅を続ける鉄郎が終着駅に到達するところが描かれる、『銀河鉄道999』文庫版第12巻(少年画報社)

 少年から大人へと成長する過程にある鉄郎を、メーテルはいつも優しく見守っています。鉄郎が憧れるメーテルは、ダンテの『神曲』に登場するベアトリーチェのような存在です。ベアトリーチェは「永遠の淑女」とも呼ばれています。寂しげな表情をしたメーテルも、お嬢さまタイプのベアトリーチェも、男性が自分の脳内でイメージする「理想の女性」像ではないでしょうか。

https://news.yahoo.co.jp/articles/1144abee3e3767d39bdb421b809ce497bc761b67
1/30(土) 16:50配信

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https://www.youtube.com/watch?v=C64krbsP684
青い地球(TVアニメ「銀河鉄道999」ED)

https://www.youtube.com/watch?v=lGpCezHW_LE
銀河鉄道999 OP