8/30(金) 10:02配信
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久保建英、中島翔哉らを日本代表に呼ぶべきでない理由。無闇な招集は新天地の適応の妨げに…

9月5日のパラグアイ戦と10日のミャンマー戦に臨む日本代表メンバーが30日に発表される。今夏は欧州組の移籍も多く、Jリーグから欧州へと活躍の舞台を移した選手も目立った。開幕して間もない欧州組の選手たちは、選考にどのような影響を与えるのだろうか。過去の前例も踏まえて、どのような選考が最適になるのだろうか。(文:元川悦子)

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久保建英、中島翔哉らを日本代表に呼ぶべきでない理由。無闇な招集は新天地の適応の妨げに…
清武弘嗣はセビージャで出場機会を得ることができなかった【写真:Getty Images】
●移籍間もない海外組の招集はリスクを伴う

 9月5日のパラグアイ戦と10日のカタールワールドカップアジア2次予選初戦・ミャンマー戦に向けた日本代表メンバーが30日に発表される。久保建英(マジョルカ)のメンバー入りがいち早くクラブからフライング発表されるなど、候補者を巡る動きは慌ただしさを増している。そんな中、森保一監督は限られたインターナショナルデーを最大限有効活用し、ベストの陣容を揃える意向を持っているようだ。

 今のサッカーカレンダーを見ると、代表活動を行えるのは、9、10、11、3、6月の年5回だけ。アルベルト・ザッケローニ監督時代までは2月と8月にもインターナショナルデーが設けられていたが、それもクラブ側の圧力によってなくなった。

 代表主力の多くが国内組だった時代は、Jリーグの日程が空いたタイミングで数日間の強化合宿を組むこともできたが、近年は欧州組が急増。欧州主要リーグの1・2部に50人近い選手が所属するようになった今はイレギュラーな強化は不可能。そういった事情があるから、森保監督は「1回1回の活動期間に最高のメンバーを集めたい」と考えるのだろう。

 指揮官の思惑も理解できるが、今夏はJから欧州挑戦に踏み切ったり、欧州内で移籍した選手が非常に多かった。その点はやはり配慮すべきではないか。その筆頭が久保建英。先週22日にレアル・マドリーからマジョルカへのレンタル移籍が決まったばかりで、まだ公式戦に出ていない。9月1日のバレンシア戦でピッチに立ったとしても、直後に帰国を強いられるのは、新チーム適応の妨げになりかねない。

 フローニンゲンからPSVへの移籍が28日に合意に至ったばかりの堂安律にしても同様だろう。新天地に赴いて間もない香川真司(サラゴサ)や中島翔哉(ポルト)も多少なりともリスクがあると言わざるを得ない。彼らのようにプレー環境が変わったり、チーム内序列が固まっていない選手は当面、招集を回避してクラブでのプレーに専念させる方が、長期的に考えても本人たちのためになるはずだ。

●代表とクラブ、掛け持ちに苦しんだ前例

 実際、新シーズン開幕直後の9月代表シリーズに招集されている間に出番を失った選手は過去に何人かいる。その最たる例が、2016年夏にハノーファーからセビージャへ移籍した清武弘嗣だ。16/17シーズン開幕戦のエスパニョール戦で先発出場し、1ゴール1アシストという華々しいデビューを飾った彼は、2016年9月のロシアワールドカップアジア最終予選・UAE戦、タイ戦の2連戦に選出。10日以上チームを空けている間にサミル・ナスリが加入し、定位置を奪われ、長く公式戦出場から遠ざかる形になった。

 日本代表でもUAE戦でまさかの黒星を喫したことが引き金となり、徐々に地位が低下。ケガなども重なり、最終的にロシアへ行くことができなかった。「代表ではつねにプレーしたい」と清武本人も口癖のように話していたから掛け持ちは仕方なかったのかもしれない。しかし、移籍直後にセビージャで自らの地位を確立させることができていたら、彼のキャリアも違ったものになっていた可能性が高い。こうした前例を踏まえて、森保監督も招集回避できる選手は可能な限り、そうした方がいい。

 しかも、今回は2次予選。相手も格下のミャンマーだ。人材豊富なアタッカー陣のところは、国内組で好調をキープしている小林悠(川崎)や永井謙佑(FC東京)、古橋亨梧(神戸)、鈴木武蔵(札幌)、奥埜博亮(C大阪)といったイキのいい面々を呼んで、チャンスを与えるのもありではないか。

 中盤から後ろも、6月のコパ・アメリカ2019(南米選手権)に参戦した杉岡大暉(湘南)や大迫敬介(広島)、岩田智輝(大分)を再抜擢したり、Jリーグで輝きを放っている橋本拳人(FC東京)や山口蛍(神戸)らを呼ぶことで十分対応できる。

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