最下位に沈むオリックスだが、投手陣に目を向ければ若い選手の台頭が顕著となっている。

なんといっても先発陣だ。3日・DeNA戦(京セラドーム大阪)から始まる交流戦、初戦は3年目、20歳の山本由伸投手、4日は2年目、22歳の田嶋大樹投手、5日はこちらも3年目で20歳の榊原翼投手となる予定。
6日からのヤクルト戦は初の開幕投手を務めた23歳の山岡泰輔投手、ベテラン成瀬善久投手を挟んで2年目で25歳のK−鈴木投手という並びだ。

33歳の成瀬をのぞけばみなプロ3年目までの25歳以下。これだけ若い投手が並ぶ先発ローテーションは珍しい。

なぜ、オリックスは若い投手が育つのか。一つには2軍首脳陣の適材適所を見極める眼力が挙げられる。

榊原は昨季、開幕直前に育成から支配下登録され開幕1軍まで勝ち取った。当初はリリーフとして期待されたが、結果が出ず2軍落ち。
2軍でもリリーフ失敗が続くと2軍首脳陣は先発転向を決断。今につながる。

こんな例もある。先日は育成出身の張奕投手が2試合の登板に終わったが1軍昇格した。張奕は昨年6月中旬に野手から投手に転向したばかり。
1年足らずで1軍昇格まで登り詰めたことになる。入団時は外野手だったが、出番の少ない状況を見て酒井勉育成コーチが「投手をやってみないか」と手をさしのべた。
ブルペンで投げたところ145キロを記録。そのまま投手転向となった。

もう一つは指導法にある。K−鈴木は「今の自分があるのは小林(2軍投手)コーチのおかげです」と話す。ルーキーだった昨季、1軍戦力にならなかった。
小林コーチは毎試合、登板のビデオを徹底的に解析。フォーム修正を理論的に行った。それだけではない。2軍首脳陣は開花のためのプログラムも作成した。
オフのフェニックスリーグでは中4日の先発を課し、3週間で5試合に登板させた。
さらにそのまま台湾のアジア・ウインターリーグにも派遣。試合数を投げさせることで投球術を覚えさせた。

技術をコーチが教える一方で体力面、肉体面は今年から加わった中垣征一郎パフォーマンス・ディレクターの存在が大きい。

日本ハム時代にはダルビッシュや大谷を指導、昨季までサンディエゴ・パドレスでトレーナーを務めた人物。
理にかなったトレーニング方法の伝授により、投手陣の制球力が向上、ボールの質も高まったという。

このシステムにより、2軍には本田仁海投手、漆原大晟投手、鈴木優投手ら150キロを超える速球を投げる投手が数多く存在する。

他球団でよく聞かれる“なんでプロに入ったら球速が遅くなった?”の疑問はオリックスにはない。しっかりと育てる環境があるからだ。

近い将来投手王国が完成する可能性は高まるばかり。あとは、打者が育ってくれれば常勝球団も夢ではなくなる

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6/4(火) 14:00配信

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