オリンピック競技の花形と呼ばれるマラソンが、2年後に迫る東京五輪では最大の懸案事項となっている。
「最終的な決定は見送られましたが、東京五輪組織委員会は『競技開始時間の前倒しで決着したい』としています。
IAAF(国際陸上競技連盟)は難色を示しており、日本の陸連も批判的です」(陸連担当記者)

何を揉めているのかというと、東京五輪におけるマラソンのスタート時間だ。女子は8月2日、男子は同9日に行われるが、誘致時の計画では「午前7時半スタート」だった。
その後、暑さ対策から午前6時に繰り上げる案が出たが、それでも厳しいとなり、5時半案、5時案も検討された。

五輪組織委の森喜朗会長は、「年内に結論を出すつもり」と今月5日の会見で述べたが、前倒し案は別の問題もはらんでいるという。

「マラソンにおいて、会場を警備、サポートするスタッフは、スタート3時間前に現地入りするのが常識。
早朝スタートでは、沿道に配置されるスタッフは始発電車でも間に合わない。
マイクロバスで移動するとして、午前6時スタートなら、組織委は彼らを3時から働かせるつもりなのか。
ゴールに倒れ込む選手と一緒に、スタッフも睡眠不足や疲労で倒れますよ」(関係者)

早朝スタートでは、選手も体調管理が難しい。そこで再浮上しているのが、マラソン競技会場の変更だ。
「被災地復興」の名目で、福島か宮城にマラソン会場を移動させたほうがいいのではないかというものだ。
確かに、東京より気温は若干低そうだが、それでも問題の全面解決には至らない。

「組織委の中に各競技の専門家がいないので、競技団体からの苦情が絶えません。
マラソンの沿道におけるミスト器機の設置、給水所の増設なども伝えられましたが、こちらは進展がありません」(前出・記者)

沿道で深夜3時から働かされるとなっては、すでに不足が心配されている計11万人のボランティアスタッフも、さらに募集困難になりそうだ。

このままでは、マラソン中継が“災害報道”レベルの惨事になるかもしれない

http://dailynewsonline.jp/article/1619215/
2018.12.21 07:00 週刊実話