さまざまな趣味と娯楽の奥深い世界をご紹介するTOKYO FMの番組「ピートのふしぎなガレージ」。
9月8日(土)放送のテーマは「サンマ」。ニュースによると去年まで不漁が続いていたサンマも、今年は豊漁なんだそう。
塩焼きに刺身、煮物に炊き込みご飯と、旬のサンマを堪能できる季節となりました。
今回は意外と知らない「サンマ」の話を、TOKYO FMの番組の中で魚類学者のさかなクンに教えていただきました。

(TOKYO FM「ピートのふしぎなガレージ」2018年9月8日(土)放送より)

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◆「サンマの内臓がおいしい理由」

魚類学者 さかなクン

── サンマの内臓が美味しいのは、なぜですか?

サンマは無胃魚といって胃がありません。ですから、食べ物を数十分で消化して排泄します。
そして、サンマ漁が行われるのは夜間。サンマは日中にプランクトンを食べ、夜は何も食べないので、私たちが食べるサンマの内臓はほぼ空っぽです。
だから、サンマの内臓は基本的に苦味がありません。でも、そこを胆のうの胆汁が適度なほろ苦さにします。それでサンマの内臓は美味しいんです。

サンマは、ダツ目サンマ科に分類されます。ダツやトビウオ、サヨリ、意外なところでメダカが近い仲間です。ですから、メダカも無胃魚です。
さらに、卵に糸がついているのも共通しています。その糸が水草や漂着物に絡まるように卵を産むのが、この仲間たちの特徴です。

── サンマが生息しているのは、どのあたりですか?

サンマは北太平洋の冷たい海域を広く回遊しています。小さいときは脂が全然乗っていなくて、サヨリのようにさっぱりとした味です。
それが、回遊してプランクトンをいっぱい食べると脂が乗ってきます。それがちょうど秋口の頃です。

昔に比べてサンマが減ったのには、さまざまな理由が考えられます。海水温が上がっているのも原因のひとつでしょう。
さらに近年は、中国や韓国がサンマをいっぱい獲るようになりました。しかも、脂が乗る前のさっぱりしたサンマを好むので、公海上で成魚になる前のサンマを獲るんです。
それで成魚になって北海道や三陸へ南下するサンマが減っているという説もあります。
国の若者の間では、フランクフルトのように串に刺した丸焼きのサンマを歩きながら食べるのが流行っているそうです。

── そうなると、サンマの養殖も考えなくてはいけませんか?

サンマの養殖は無理なんです。すぐに鱗が剥がれてしまうので、世界中のどの水族館でも飼育ができなかったくらいですから。
そこで「アクアマリンふくしま」は、海草に絡みついた卵を水族館で孵化させて赤ちゃんから育てることで、世界で初めてサンマの飼育に成功しました。
ただ、それを養殖しても魚屋さんで1本数百円というのは難しいでしょう。

一方、1匹1000円もするくらい穫れなかったイワシは、今は資源量が回復しました。
昔からイワシ、アジ、サンマ、サバは魚種交替といって、同じ海域で同じプランクトンを食べるので、絶好調の魚がいるとほかが少なくなったんです。
とはいえ、どんなに絶好調でも根こそぎ穫ってしまうと減ってしまいます。そこで日本は科学的なデータに基づいて漁獲枠を決めていますが、諸外国はそこまでやっていなさそうなのが悩みどころです。

http://news.livedoor.com/article/detail/15309841/
2018年9月15日 11時0分 TOKYO FM+

あなたの知的好奇心をくすぐる「ピートのふしぎなガレージ」。9月15日(土)放送のテーマは「月見」。お聴き逃しなく!


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聴取期限 2018年9月16日(日)AM 4:59 まで

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