6月14日に開幕するサッカー・ワールドカップ(W杯)ロシア大会で、日本代表は6大会連続6回目の舞台に挑む。
W杯出場を決めた後、昨年10月以降の9試合は3勝2分け4敗。本大会に向けた準備期間で結果が振るわない中、突然の監督交代という衝撃に日本は揺れた。

「日本代表は大丈夫か」「W杯はどうなるのか」−−。

祭典であるW杯を前に、サッカー愛にあふれた芸能人たちはどう感じているのか。
昨季のJ1全試合を観戦し、今季もJ1を見続けているお笑いコンビ・ペナルティのワッキーさんに、日本代表やW杯への熱い思いを語ってもらった。【寺田翼】

−−ハリルホジッチ氏が解任され、西野朗氏が監督に就任しました。この交代劇をどう捉えていますか。

僕は、前向きに捉えている。西野さんはガンバ大阪を優勝に導いているし、マイアミの奇跡も成し遂げた。J1歴代最多の270勝を挙げた実績だってある。ハリルホジッチさんは日本をW杯に連れて行ってくれたし、
別に戦績が悪かったわけじゃない。いい監督だと思う。ただ、どちらが良いとかは置いておいて、僕は日本人が代表監督をやるべきだと思っている。

−−日本人監督を希望する理由は?

感情移入できるし、それが普通だと思う。代表はその国の人が監督になることが一番自然。
日韓大会でブラジルが優勝したときに、ロナウドら中心選手が当時のスコラリ監督(ブラジル出身)を優勝させたかったとコメントしている。「おやじと息子」の関係になっているんだろうなと。

選手はW杯に出場するにあたって、チームや家族、自分、国とかいろいろな「ために」があると思う。その中に「監督のため」が加わったたとき、チームとしてまた一つ強くなると僕は思っていた。
それがスムーズにいくのは日本人の監督なんだろうなと。ハリルホジッチさんはすごくいい監督だったけど、簡単な言葉で言ったら「(西野さんの方が)応援しやすくない? 国民の皆さん」って思う。格好いいし、西野さん(笑い)。

−−西野監督のサッカーについて、どういう印象を持っていますか?

古いイメージだが、2005年にガ大阪が優勝したとき、中盤に遠藤保仁、橋本英郎、二川孝広がいて「自由にやらせていた」イメージがある。選手個々のオリジナリティーを生かすような戦術を用意するのでは。
すごく画期的なことをやるとは思わないし、今までハリルホジッチさんがやってきたものをベースに考えていると思う。今からやれることは限られている。僕は、西野監督に選手をよく観察してもらいたい。そのとき一番調子のいい人を出してほしいなと思う。

 ◇今の代表には“出てきた感”が…

−−現状の日本代表をどう見ていますか?

歴代の(W杯時の)代表は、強烈な個性のある選手が台頭してきた。フランス大会の中田英寿や南アフリカ大会のときの本田圭佑みたいな。
ブラジルのときもそうだったが、そういう“出てきた感”が今の代表にはないかなと。若くなくてもかまわない。パワー持ってるなこいつ!みたいな人が少ないかなと思う。

ただ、W杯は一発勝負。長いリーグ戦ではないので、運が大事になってくる。総合力や個々の能力では他国に劣るかもしれないが、日本代表の選手も百戦錬磨のプロ。
勝負事だから何が起こるか分からないとは思っている。Jリーグよりも何かスペシャルなことが起こるのがW杯かなと。

運を引き寄せるには、個々の情熱もそうだが、チームの空気感が大事だと思う。一致団結して一枚岩になれるかどうか。ゴールしたら監督に最初に抱きつきに行くみたいな空気、
チームとしての一体感が運を引き寄せるんじゃないかなと思っている。今の磐田なんてまさにそう。名波監督のところにみんな抱きつきに行っている。監督と選手で「おやじと息子」の関係を築いている。

日本が決勝トーナメントに進出するためには、一か八かのことを思い切りやるような局面がなければならない。ディフェンシブになることが予想されるが、
勝負せず横にパスを回して相手のミスを誘うようなことをずっとしていたら絶対に勝てない。どこかで意外なことをやらないと。攻めの部分で「チャレンジ」しないとだめだと思う。

つづく