昨年、前人未到の6万円超えでディナーショーお値段ランキングに“乱入”した矢沢永吉に、王座を明け渡していた五木ひろし。今年は今のところ(11月3日時点)は、“元祖”ショーマンの面目を保っている。

「国内のホテルで“どこのディナーショーが最初”なのか、私どもも実際に確認はとれていないのですが、五木さんからは“もともとラスベガスでディナーショーのようなショースタイルがあって、それを取り入れて開催したのは当ホテルが最初”と、おっしゃっていただきました」

とは東京プリンスホテルの広報担当。同ホテルを皮切りに、その歴史が開かれたとされるディナーショー。その開拓者である五木は12月24日(5万1500円、消費税、サービス料込み。以下同)、なんと40回目の開催を迎えるというからオドロキ。

「毎年、楽しみにお越しいただいているという声も聞きますし、かなりのご予約もいただいております。記念回ということでオリジナリティーのあるショーを考えられていると思います」(広報担当)

■常に動向が気になる中森明菜

 そんな五木を追うのが、昨年から7年ぶりにディナーショーを再開した中森明菜。12月24日、25日のグランドニッコー東京台場(5万円)公演を含めた、全国14都市18公演のチケットは早々に完売。

芸能ジャーナリストの佐々木博之氏も、やはり気になるのは明菜だそう。
「彼女の場合“いま何をしているのか”と、常に動向が気になる歌手ですね。普段、歌番組などテレビの露出がまったくないだけに、彼女の生の姿を見られる、歌声を聴けるのがディナーショーなんです。ここでしか見られないというプレミア感があります」

 また佐々木氏はランキング上位者のチケットが高額で売れる理由をこう話す。
「明菜の歌を聴きに行く人にとって、誰もが全部知っている往年の歌ばかりだから楽しめるんですよ。松田聖子さんやさだまさしさんもそうですが、ディナーショーで一緒に口ずさむことができるというのは強みですね。やはり一時代を築いた歌手の特権とでも言いますか、それだけの実績を残してきた価格です」

 昨年の明菜の復帰で、女王の座を譲り渡した松田聖子。それでも12月23日、24日、25日にショーを予定しているホテルニューオータニ大阪(4万9000円)のイベント担当者によると、こちらも負けていない。

「おかげさまでご好評いただいておりまして、3日間すべて完売でございます。9月10日に予約を開始したのですが1週間かからずにお席は埋まりました。(昨年よりも1000円値上げは)ショーのみならずお料理のコースもございますから、食材の高騰なども影響していると思います」

 ほかの大御所同様に、リピーター客も多いという聖子。
「年末の風物詩的な形でお越しいただいているお客様も多数おられますね。やはり松田聖子さんのショーを見て年が終わるというような、“1年、このために頑張ってきましたよ”とおっしゃる方もいます」(同・担当者)

 自分への特別なご褒美に、奮発してでも行きたい!

■ディナー&ロックでお酒がすすむ!?

 さて、今年からディナーショー戦線に加わった大物アーティストたちもちらほら。

 ザ・プリンスパークタワー東京では、12月22日に初のクリスマスショーを開催するREBECCAのNOKKO(3万8000円)。そして12月25日、ディナーショー自体が初めてとなるT―BOLAN(3万5000円)が登場する。

「T―BOLANさんはこれからの予約受け付け(11月7日開始)になりますが、NOKKOさんは発売を開始していまして順調にご予約をいただいております。今回、初めて開催されるアーティストになりますので、興味という部分でも反響を多くいただいております」(広報担当者)

 それにしてもなぜ、ロックミュージック出身のNOKKOとT―BOLANがディナーショーに? 開催基準を聞いてみると、
「会場となるのが、ボールルームというバカラ社製のシャンデリアがあるような、すごくきらびやかで華やかな会場なんです。どちらかというとクラシックというよりも、実力はもちろんですが、目新しさや華やかさも重視してお呼びさせていただいております」(同・広報担当者)