タチウオ神出鬼没!LT竿しならせ初タチをゲット♪

 東京湾のタチウオ釣りが、新しい段階へ移行しようとしている。これまでの浅場一辺倒から深場にも姿が見え始めた。
どっちを狙うかはその日の状況次第という時期に突入だ。浅場、深場の2通りの道具を手に横浜市・金沢漁港『蒲谷丸』へ。
運良く(?)富津沖の水深20メートルで“綱引き”になり、LT(ライトタックル)竿が限界までしなるという夏の名残の熱いバトルを満喫した。

 コツン。1投目からアタリが出た。無視して同じリズムを刻む。3回繰り返すとガクガクッ。一気に竿先がもっていかれた。
「早い!」と叫んで竿を立てにかかる。立たない。強烈な引き込みだ。限界まで曲がる竿。一瞬たじろぐ。浮かせたのは82、83センチ。
小雨の海面をのたうった。次も、その次もアタリが続く。アタリから竿先が引き込まれるまでの時間が短い。
75〜85センチが立て続けに宙を舞う。富津沖。水深20メートル前後の浅場だ。

 「15メートルから上を誘ってください」と蒲谷政徳船長の指示が出た直後から入れ食いが出現した。
20〜30センチ幅のスローなシャクリを繰り返すと、面白いように反応してくる。
あまりにも激しいやり取りの連発に、LTアジ用の竿がへし折られるんじゃないかとビクビクものだ。
「きました!」。右舷の前で声が出た。有馬知勢さん(16、大田区)が父親の亮介さん(47)と親子でタチ初挑戦中。
「ひとつテンヤのマダイは2回ともダメでした。それよりやさしいかも…」とニッコリ。亮介さんは「誘いっぱなしで忙しい。でも駆け引きが面白いですね」と話す。

 午前9時半すぎ。このころから少しずつ本来の気難しさが顔をのぞかせた。コツンときても追ってこない。アタリの出た場所でしつこく誘っても無視される。
そんなとき。「なんだ?」。シャクった後の竿先が少し曲がったまま。2度、3度と同じ状況。そこで大きくきき合わせてみる。ガツーン。一気に重量感が支配した。
餌をくわえて様子をうかがっていた90センチ級が激闘を挑んできた。こんなシーンが出現するから気が抜けない。集中して誘い続け、23本をクーラーに納めた。

 ショート釣り正味5時間の成績は70〜95センチが8〜24本。今後、観音崎沖の水深60〜80メートルが主戦場となるが、それはもう少し先。
“冬の陣”に完全移行するまでは浅場の熱いバトルも楽しめるはずだ。

★船長の見通し

 「すでに観音崎沖の60、70メートルにも群れはいます。富津沖を狙ってダメなら、観音崎沖へ走るという選択肢も存在する。
当分の間はその日の状況の良い方を選ぶつもりです。したがってオモリ30号のLTアジ用の道具と、オモリ60号に合う竿と電動リールタックルの二つを準備してほしい。
相手は“幽霊”と称されるタチウオ。どこに出るかは当日になってみないとわからない面を持っていますからね。
完全に観音崎に移行するまでは、二段構えで臨むのがベストになります」

http://www.sanspo.com/etc/news/20170912/fis17091212000001-n1.html
「きました!」とニッコリ。初挑戦の有馬知勢さんおみごと=東京湾・富津沖
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上アゴにガッチリ。活性の高さを物語る
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