鈴鹿サーキットの名物レース「鈴鹿1000km」が26日、開幕した。日本でモータースポーツの黎明(れいめい)期とされる1966年から始まり、国内レースで最長の歴史を誇っていた。46回目の今年で幕を閉じることになり、初日からモータースポーツファンが詰めかけた。決勝は、27日午後0時半にスタートする。

 鈴鹿1000kmは「GT500」「GT300」の2クラスがあり、45台が一緒に走る。夏休み最後の週末ということもあり、大勢のファンが午前9時20分から始まった練習走行を観戦した。2万7500人が足を運び、去年の初日を上回った。

 「GT500」にはレクサス、ホンダ、日産のマシンで15チームが、「GT300」にはポルシェ、BMWなど外国産マシンも加わって30チームがそれぞれ出場。GT500は全15台が新型車だ。

 マシンの外観は市販車をベースにしているが、GT500の中身は別物。強力なエンジンが搭載され、去年の優勝チームは千キロを5時間45分余りで走行した。東京―大阪間を6時間足らずで往復したことになる。

 レースはオートバックススーパーGT(全8戦)の第6戦に組み込まれ、今シーズンはGT500の個人ランキング4位までをレクサス勢が独占。他のドライバーの走りも注目される。

 長丁場のレースのため、2〜3人が交代で走る。今回は元F1ドライバー6人が顔をそろえ、2009年のF1ワールドチャンピオンになったジェンソン・バトン選手(37)=英国=、12年のF1日本グランプリで3位だった小林可夢偉選手(30)が参戦した。

 鈴鹿1000kmは1974年以降、オイルショックの影響で一時中断したこともあったが、二輪の鈴鹿8耐と並ぶビッグレースだった。

 第1回はトヨタ2000GTが制した。その後、ポルシェや輸入スポーツカーと国産車が戦う構図が続き、国産車が相次ぎ優勝するようになったのは、レース開始から30余年後。同サーキットの開業から4年後に始まったレースとあって、担当者は「当時、日本の自動車産業は発展途上。外国車と戦い、鍛えられてきた」と振り返る。

 鈴鹿1000kmは幕を閉じるが、後継レースとして来年8月23〜26日、「サマーエンデュランス『鈴鹿10時間耐久レース』」が始まる。マシンが高性能になり、6時間足らずで千キロを走りきってしまうため、耐久レースの要素を強めるためという。賞金総額は1億円だ。

 レースを主催するモビリティランドの山下晋社長は「地域と一体になり、8耐と並ぶ夏の一大イベントに育てていきたい」と意欲を見せている。(佐野登)

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第1回大会で優勝したトヨタ2000GT=1966年6月、鈴鹿サーキット
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