同番組は、1978年(昭和53年)にスタート。
 第1回の総合司会は、萩本欽一、大竹しのぶ、大橋巨泉、竹下景子で、チャリティーパーソナリティーは、ピンク・レディーだった。

 今でこそ“チャリティー”という言葉や意識は世間に浸透しているが、当時はまだ一般的ではなく、番組制作サイドも手探り状態での立ち上げとなったという。
それでも、11億円以上の募金が集まったが、当時を知る同局のOBはこう語る。

 「あの頃はまだ24時間、終夜放送というのが珍しく、夏休みということで、どこまで寝ずに見ていられるかにチャレンジしていた子供も多かったようです。
欽ちゃんをはじめ、直接芸能人に募金を手渡せるかもしれないというワクワク感が、番組が盛り上がった要因にもなりました」
社会貢献の裏で批判と疑惑が続出

 大型チャリティー番組として幸先の良い船出となった同番組だが、放送回を重ねるごとに好評価の声が挙がる反面、批判も噴出するようになる。

 「海外ではチャリティーとなると、どんな大物有名人でも無償が当たり前。しかし、24時間テレビの場合は、視聴者に募金を呼び掛ける一方で、
出演者には高額なギャラが支払われているのではないかという疑惑が週刊誌をはじめ、一部で報じられるようになりました。
また、障害者にスポットを当て、その実情を広く伝えるのは非常に意義があることではありますが、近年はやたらと彼らに何かをチャレンジさせ、感動の押し付けが目に余る。
先に感動ありき、お涙頂戴では見ている方もしらけてしまう」とは芸能評論家・市川大介氏。

 “感動の押し付け”という点では当の障害者や他局からも批判があるようで、昨年に24時間テレビの裏で放送されたNHK Eテレの「バリバラ〜障害者情報バラエティー〜」では、
「検証!『障害者×感動』の方程式」と題した企画を展開し、障害者の頑張っている姿を「感動の対象にする」番組制作の手法の是非を問う内容を放送して反響を呼んだ。

 「まだまだ成熟してはいないが、今は社会全体で多様性を認めていこうという流れになっている。『
バリバラ』はそうした時代の中で、“障害者”と“笑い”で彼らの日常や本音をすくい上げている。やらせや過剰演出にうんざりしている視聴者にとっては、
お涙頂戴よりもリアルに感じるため、反響があったのでしょう」(市川氏)


□名物企画のチャリティーマラソンでトラブルが続出

 そして感動の裏には、数々のトラブルも横たわる。
 番組を通して軸となっている名物企画のチャリティーマラソンに関しては、「途中で走ることを止めて車で移動しているのではないか?」といった疑惑が度々持ち上がっており、
SNSを駆使して実況を試みる視聴者も。

 また、コースが長距離に及ぶため、周辺の道路が渋滞になるなどのトラブルも起こったケースもある。
 「『TOKIO』のリーダーの城島茂がランナーを務めた際には、見物する人により、国道が上下線とも大渋滞になる現象も起きました。

また、『アンガールズ』がランナーの時には、彼らに触ろうとする野次馬にスタッフが大声で怒鳴りつけたこともあった。確かに危ないという理由はあるにせよ、
近隣を使わせてもらっている立場で怒鳴るのはお角違い。『愛は地球を救う』というキャッチフレーズとは真逆のスタッフの態度に批判が寄せられました」(テレビウォッチャー)

□15年連続でジャニーズタレントがメイン

 さらに、長年にわたって大手芸能事務所「ジャニーズ事務所」のタレントが優遇されるという露骨な構造も問題視されている。
 
 「一部報道によれば、出演者には数百万円から数千万円とも言われるギャラが支払われていると伝えられています。
とくに、長時間出ずっぱりのメインパーソナリティーのギャラは高額なうえ、イメージアップにもなる。そんなおいしいポジションをジャニーズのタレントが15年連続で務めているのにも違和感を覚えます。
まあ、彼らは若い世代に絶大な人気があり、募金も多く集めやすいということで、局側も重宝しているんでしょうけどね」(前出のテレビウォッチャー)

 「寝たきりの老人にお風呂を」や「身障者にリフト付きバスと車椅子を」といった目標を掲げ、40年前にスタートした同番組は、数々の社会貢献を行ってきた。
その功績は賞賛に値するが、一方で障害者=感動という図式を視聴者に押し付けてきたのも事実だ。

 40周年を迎える「24時間テレビ」だが、果たして今年はどんな“感動”を視聴者に届けるのだろうか? 

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170731-00000006-wordleaf-ent
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