今月6日に45歳になったのに、今なお世界の第一線で飛び続ける。来年2月の平昌(ピョンチャン)五輪で2大会連続のメダルを狙うノルディックスキー男子ジャンプの葛西紀明(土屋ホーム)。その力の源はどこにあるのか。同日まであった沖縄・宮古島合宿で体力作りを追った。

 5月16日に始まった合宿には葛西のほか、昨季の世界選手権女子銀メダルの伊藤有希(23)と弟の将充(まさみつ)(19)、小林陵侑(りょうゆう)(20)が参加し、北野建設の竹内択(30)も加わった。練習は早朝、午前、午後、夜の4回に分け、メリハリをつけて励んだ。

 25日の練習では、葛西は宙に張った20メートルほどのロープをバランス良く渡った。縄跳びでは、二重跳びを160回唯一ミスなくこなしたあと、三重跳びも誰よりも跳んだ。26日のインターバル走も最初の400メートルをトップで走った。葛西の特長はジャンプに求められる瞬発力だけでなく、相反する持久力も高いことだ。

 ただ、200メートルなどの短距離走はわざとペースダウンした。かつては全日本チームでトップの体力を誇り、吐くほど練習したが、今は違う。「心肺機能は若者と変わらない気がするけど、筋肉が『ジジイ』になってきた。7割ぐらいの力で全力ではやっていない」

 40代になっても飛べるのは大けがをしないから。練習では無理せず、一方で毎朝必ず走り、ストレッチすることで、故障しにくい柔らかい体を維持してきた。2014年ソチ五輪後から体をケアする綿谷美佐子トレーナーも「関節や筋肉は40歳を過ぎたら硬くなるけど、葛西さんは軟らかい」と認める。


6/6(火) 15:57配信
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