意外に知らない魚の話>日本から消えつつある旨い魚
最近あまり見かけなくなったおいしい魚

最近スーパーなどで見ることがなくなった魚に「メロ」があります。
以前は「銀ムツ」の名前で売られていた魚で、正式な和名は「マジェランアイナメ」もしくは「ライギョダマシ」といい、南極近辺に生息するノトセニアの仲間の白身魚です。

2000年ごろまでは、世界の中でも日本がメロの主な輸入国でしたが、今では中国、香港、米国などが主な輸入国に変わっています。

まとまった量が漁獲される、脂がのった白身魚の種類はそれほど多くありません。他には「銀ダラ」か「カラスガレイ」といったところでしょうか。そしてこれらの魚もまた、見かけることが少なくなりつつあります。

漁獲量は減っていないのに、日本では見なくなっているという現実

1998年、日本におけるメロの輸入量は約2万トンでした。しかし約20年後の2017年、日本の輸入量はわずか千トン程度と、20分の1にまで減少しています。 しかも輸入されている部位は1998年当時とは異なり、ほとんどが「カマ」の部分です。

「カマ」はステーキカット(輪切りのような切り方)に向かないため、比較的低価格で取り引きされます。 一方、フィレーの部分は切身加工に使うため世界中で需要が高まっており、価格の高騰で日本にほとんど輸入されていません。

上のグラフはメロの漁獲量の推移です。これを見ると1980年代や90年代よりも近年の方がの漁獲量は増えていることが見てとれます。近年はすっかりメロを見かけなくなりましたが、それは漁獲量の問題というよりも、「買い負け」によりメロが輸入できなくなっているということが推測できます。

イワシやサンマなどのように、漁獲量の減少により、スーパーから一時期見かけなくなったケースは消費者にもわかりやすいのですが、メロの場合は買い付け競争がおもな原因のため、いつの間にか見なくなってしまったという印象です。
何気なくスーパーや魚屋さんに陳列してある魚にも、いろいろな事情があるのですね。

https://umito.maruha-nichiro.co.jp/article21/

メロ
https://imgur.com/pOyDaHq.jpg

もう終わりだよこの国