商業捕鯨再開/自立可能な産業像の構築を
2019年08月14日 水曜日

 日本の商業捕鯨が31年ぶり再開され、1カ月が過ぎた。国際捕鯨委員会(IWC)脱退に対する国際批判は
現時点で激化しておらず、鯨肉の市場はご祝儀相場も相まって高値で推移する。まずは順調な船出といえるが、
厳しい漁獲制限と鯨食の衰退で事業の採算性は依然、見通せない。
 再開後、沖合で操業する捕鯨母船「日新丸」は三陸沖などでニタリクジラ67頭を捕獲。約350トンを仙台港に
初水揚げした。仙台市中央卸売市場であった今月1日の競りは、高級品の尾肉に1キロ当たり2万円の最高値が付いた。
 市場関係者は「商業捕鯨再開への期待感が値段に反映された」と手応えを語った。
 鯨肉の質は向上した。調査捕鯨と異なり肉質の良い大型の個体に絞って捕獲でき、船上で血抜きをして
鮮度を保てるようになった。石巻市の鮮魚店は「30〜40年前に流通していた鯨肉と比べても質が違う」と歓迎する。

(以下ソース)
https://www.kahoku.co.jp/editorial/20190814_01.html