青森県八戸市の郷土料理「いちご煮」の缶詰で炊き込みご飯
いつまでも暖かいと思っていたら、急に寒さがやってきた今年の冬。ほかほかの炊き込みご飯が恋しくなってきました。
缶詰で作る炊き込みご飯は、味付けがとくに必要ないので実はファンが多いそうです。でも缶詰博士が推薦するのは、
ちょっと珍しい「いちご煮」で作る炊き込みご飯。というか、いちご煮ってそもそも何ですか博士?
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八戸名物の「いちご煮」缶。1,468円と高級品
誤解を生むネーミングに怒っちゃいけん、実はロマンチックなんです
青森県八戸市には、有名な郷土料理「いちご煮」がある。いちごをコトコト煮込んだ料理、というのはもちろん冗談で、
中身はウニとアワビの潮汁(うしおじる)であります。
「どうしてそんな誤解を生む名前を付けたんだ!」と憤慨した方、すみませぬ。もう少しお待ちいただければ、その由来は
判明するのであります。
缶底に潜むウニ、アワビ
さあ、今日も元気にぱかっと開缶! ほの白い汁しか見えないが、これはもともと汁物の缶詰だからしょうがない。
具は沈んでいるのであります。
でも、こうやって開けただけで磯の香りがふわっと立ち上がる。気温の低い冬でも匂うんだから、いかに濃厚に
仕上がっているかが分かる。
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本来の食し方
中身を鍋にあけて温める。磯の香りはさらに増幅されて、台所中がたまらん匂いで満たされる。そうして熱々にした
汁をお椀に入れ、千切りの大葉をトッピングするとこうなる。
ウニが乳白色の汁から顔を出しているが、これがいちご煮の名の由来だ。八戸はよく霧が出るところで、足元に生えている
野いちごが、霧の合間からこんな風に見える。
野いちごはフルーツのいちごと違い、赤ではなくオレンジ色。だからいちご煮と命名したという、なかなかロマンチックな
由来なのであります。
このまま啜ると、気が遠くなるほど美味しい。だって、ウニとアワビの汁ですよ! こんだけうまみの濃い汁はそうそうありません。
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バターがポイント
実は八戸の人にとってもいちご煮は高級料理。滅多に食べられないそうだ。本来はさっきの画像みたいに熱々の
汁でいただくものだが、それはハレの日だけで、家で食べるときには炊き込みご飯にするらしい。
この缶詰はフルーツ缶と同じ大きさで、その中に汁が約400ml入っている。これが2合のお米を炊くのにちょうどいい。
そのまま炊いても美味しいが、オススメなのはバターを加えて炊くこと。
すなわち、研いだお米2合といちご煮の汁だけを鍋(炊飯器)に入れて、バター10グラムをちょんと乗せて炊飯。
ほかにきのこを入れるのもグーです。
炊き上がったら、残しておいた具(ウニとアワビ)を乗せて、じっくり蒸らせば出来上がり。
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