一流の科学者が「神の存在」を信じるワケ 最先端を突き詰めた先に見たものとは?
東洋経済 2018/08/18 14:00

『利己的な遺伝子』のリチャード・ドーキンスは『神は妄想である』という著書で、
科学的合理性こそが重要で、宗教はそれに反するものであると痛烈に批判した。

一方、ヒトゲノム計画を率いた一流の生命科学者、米国・国立衛生研究所(NIH)所長の
フランシス・コリンズは、無神論者の家庭に育ったが、後に敬虔なクリスチャンとなった。
そして、科学的真理と信仰的真理は矛盾しないと確信し、
『ゲノムと聖書:科学者、〈神〉について考える』という本まで上梓している。

ドーキンスとコリンズは、10年ほど前に『タイム』誌で対談している。
その際、ドーキンスは、宇宙創造の背後に神のようなものが存在することまでは否定していなかった。

(中略)

コペルニクスは心から神を敬い、神がどのような宇宙を作ったかを知りたかった。
そして、「宇宙はもっと美しいものであるはずだ」という考えから、
宇宙に複雑な仮定が入り込むことを許せなかったのだ。
その考えが、観測が進むにつれて矛盾が噴出していた天動説を否定することにつながり、
地動説という新しい時代の宇宙論の嚆矢となった。

コペルニクスの考えが正しいことを明確に証明したガリレオ・ガリレイ(1564〜1642年)は、
ご存じのとおり宗教裁判にかけられた。コペルニクスと同じく、キリスト教の教えを
おおきく揺さぶったガリレオだったが、自身は神の存在を疑うことなどまったくなかった。

ガリレオと入れ替わるかのように生まれたのがアイザック・ニュートン(1642〜1727年)である。
ニュートンは、運動方程式の確立、万有引力の発見、微分積分法の開発などを、わずか1年半の間、
それも25歳になるまでに成し遂げたという真の天才だ。
ちなみに、そのニュートン、人間のことは信じられなかったが、
無神論者を説得するほどに、創造主としての神のことは信じていた。
(後略)

https://toyokeizai.net/articles/-/233870

参考 最先端科学者の過半は神を信じているというサーベイ結果の記事
https://www.nytimes.com/1997/04/03/us/survey-of-scientists-finds-a-stability-of-faith-in-god.html