埼玉県教育委員会は高校生のバイク利用を禁止した「乗らせない・買わせない・免許を取らせない」の「3ない運動」を37年ぶりに廃止する方針を固めた。

3ない運動の在り方を議論してきた県教委の検討委員会は見直しを求める報告書をとりまとめ、小松弥生教育長に提出した。県教委は検討委の報告を受け、新たな指導要項の制定を検討する。

1970年代に暴走族や高校生によるバイク事故が増加し、全国で3ない運動が拡大したが、県も昭和56年に「高校生にバイクは不要」との方針を示し、運動を推奨してきた。高校生のバイク事故の死傷者数は55年の1557人をピークに平成28年の68人まで減少しており、運動は一定の成果が出ている。

暴走族の減少などの社会環境の変化もあり、県教委は28年12月に稲垣具志日大理工学部助教を会長とした検討委を設置。
3ない運動を廃止した場合の安全対策などを議論してきた。
その結果、運動の精神を継承しつつ、社会環境の変化に合った新たな指導要項の制定を提言することを決めた。

提言では、運転免許の取得やバイクの購入、乗車希望者に対し、学校への届け出を必要とし、交通安全講習の実施など安全確保対策を万全にすべきだとの見解を示した。
通学では原則として排気量50cc以下のバイクの利用を提言した。

小松教育長は検討委の報告書を受けて、「なるべく早く新要項を制定したい」と話している。

http://www.sankei.com/smp/affairs/news/180303/afr1803030017-s1.html