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2023/4/20 20:30

4月22日(土)、29日(土)にNHK BSプレミアム&BS4Kで前後編が放送される、横溝正史原作のミステリー【特集ドラマ】「犬神家の一族」。BSプレミアムでの長編「金田一耕助」シリーズとしては第4弾、吉岡秀隆が金田一を演じた作品では3作目になる。その放送に向けて、現在に至る“金田一耕助像”の原点となった1976年の映画『犬神家の一族』を中心に、映像化された作品群の魅力を再検証する。

■莫大な遺産を巡って発生した連続殺人事件に、金田一耕助が挑む!

映画『犬神家の一族』は1976年10月16日にロードショーされ(日比谷映画劇場にて先行上映)、翌月から全国公開された。当時角川書店の社長だった角川春樹が、角川春樹事務所を立ち上げて映画製作に乗りだし、映像と出版をメディアミックスさせた角川映画の第1弾としても話題を集めた。興行的にも13億200万円の配収(現在の興収で計算すると約2倍の数字)を記録し、この年公開の日本映画では第2位の大ヒット作になっている。

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■市川崑が描く、ショッキングな描写と散りばめられたユーモアとのバランス

市川崑監督は、菊人形の首と挿げ替えられた佐武の首、透明な天窓のガラスから苦悶の形相で見つめる佐智の死体など、ショッキングなシーンを散りばめて殺人事件を表現。なかでも印象的なのが湖面から2本の足が突き出た佐清の死体で、以降に作られた「犬神家の一族」の映像化作品でも、この足が突きでた死体は作品を象徴するビジュアルになった。
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■片岡千恵蔵、高倉健らが演じた、ダンディなスーツ姿の金田一像

名探偵、金田一耕助は、彼が初登場した1946年の小説「本陣殺人事件」に、小柄で絣の対の羽織と着物を着て、細い縞の袴を履き、髪はボサボサで風采が上がらない男に描かれている。だが、『三本指の男』(47)で初めて金田一を演じ、その後も5本の映画に主演した片岡千恵蔵は上下のスーツ姿で颯爽と登場し、『悪魔の手毬唄』(61)で金田一を演じた高倉健もその路線を踏襲。ほかにも岡譲二、河津清三郎、池部良が映画で金田一を演じたが、いずれもダンディなスーツ姿だった。

この金田一の風貌の改変は、原作者の横溝が映画化に関して寛容な考えを持っていたこともあるが、
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■11度も映像化された「犬神家」、金田一耕助が登場しない作品も?

その流れが変化したのは1975年。物語の舞台を現代に移した映画『本陣殺人事件』で中尾彬がヒッピーのような青年探偵を演じて金田一像を刷新し、1976年の『犬神家の一族』で石坂が原作の記述に近い金田一を初めて演じて、この名探偵のビジュアルイメージを決定づけた。以降の映画やテレビドラマの金田一は、その大半が石坂と市川監督が作ったイメージの影響下にあると言っていいだろう。

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