観る者をワクワクさせた川崎のプレー

この週末に行なわれたJリーグ19節で最も注目度があったであろうFC東京と川崎フロンターレの“多摩川クラシコ”は、3-0で後者が快哉を叫んだ。

私は3日前に来日したばかりではあったが、5日後にチェルシーと対戦する川崎に興味を抱き、この試合の観戦に訪れていた。
そして、日本の王者の確かな強さを感じていた。

川崎に関して最も気になったのは、出場していた助っ人外国人がいずれもディフェンスに割かれていた点だ。もちろんチーム事情はあるのかもしれないが、Jリーグに勝つために素晴らしい補強戦略だと思う。

たしかに攻撃陣にスター性のある魅力的な選手がいることは重要だが、リーグで勝つためには強固な基盤が必要なのだ。
例えば、今シーズンのプレミアリーグではリバプールがまさにそうだ。

昨シーズンの彼らはブラジル代表GKのアリソンを加え、もともと堅さを誇っていた
オランダ代表DFフィルジル・ファンダイクを軸にした守備がより強固になり、飛躍的に勝率を伸ばし、ついにはチャンピオンズ・リーグを制した。

また、川崎には“バンディエラ”である中村憲剛をはじめ、経験豊富なベテランがいたことも勝因の一つに挙げられる。

若い選手は、タイトルの絡んだビッグゲームでは感情に左右され、本来の力を発揮できないことが多々あるが、水色の精鋭軍団には、それをコントロールするベテラン陣がいた。
彼らの存在も川崎が長いシーズンを勝ち続けるための秘訣なのだと私は感じた。

とにかく川崎のプレーは、私を含めて、観る者をワクワクさせていた。何本もの鋭いショートパスを矢継ぎ早に繋ぎ、すべての選手たちが共通理解の下で快適に動いていた。
手の込んだことをやろうとしすぎるあまりに苦戦するシーンも見られたが、彼らの創造的なプレーは、実に清々しかった。

とくに小林悠の存在は印象深い。20分に決めた鮮やかな先制ゴールや齋藤学の2点目をダイレクトパスでアシストした場面も含め、彼のプレーは高水準だった。なぜ日本代表に呼ばれていないのか――。
そう疑問に感じてしまうほどに彼の卓越した技術は光っていた。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190715-00010003-sdigestw-socc
7/15(月) 6:10配信