2016年に覚せい剤取締法違反(使用など)で有罪判決を受けた元プロ野球選手の清原和博さん(51)が6日、東京都内で開かれたイベントに出演した。このイベントは、アルコールや薬物などの依存症への理解を深めるための啓発が目的。現役時代、西武や巨人で活躍した清原さんは現在も依存症治療中で、国立精神・神経医療研究センターの松本俊彦・薬物依存研究部長との対話を通じて、自らの体験を語った。

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 松本 今回、厚生労働省のこの依存症啓発のイベント、オファーがきて驚かれたのでは?

 清原 正直、自分は逮捕されて3年になりますが、こつこつと治療してきて、それが厚生労働省に認めてもらえたのかなと思うと、すごくうれしい気持ちでした。

 松本 (イベントへの出席を)迷ったり、ちゅうちょしたりする気持ちはあったか。

 清原 少しでも自分のように苦しんでいる人のためになればと思い、すぐに決めました。

 松本 治療を受けようと思った経緯は?

 清原 やはり大きなきっかけが逮捕されたこと。自分が立ち直っていく上でどういうことをすればいいのかと考えた中で、薬物の専門の病院に通おうと決め、弁護士さんに相談して病院を探していただきました。

 松本 つらい時期とかはありましたか。

 清原 約2週間に1回病院に通って、いろんなテキストで、薬物について勉強したりすることによって、どんどん「自分はこうだったんだ、ああだったんだ」と理解できていったんで、すごく良かったと思います。

 松本 薬物に悩んでいて「このままではいけないな」と思いながらも行動を起こせない方もいるのではないかと思う。悩んでいる方へメッセージを。

 清原 自分の体験なんですが、薬物は一時的にやめられても、やめ続けることは自分自身は非常に難しいことだと思う。勇気を出して専門の病院にいってほしいなと思います。

 松本 本人を支えている家族ら周囲の人へのメッセージは?

 清原 自分はいろんな人に支援していただいて、支えられています。先ほど、松本先生がおっしゃったように、自分の身近な人に、正直にものを言えることが自分は一番変わったことだと思いますし、薬物を使っていた時はそれを使うためにうそをつき、自分をどんどん追い詰めていってしまい、ほとんど苦しみの日々でした。それが近くにいる人の理解があれば、今、自分は苦しいんだ、つらいんだと言える。その環境があることが一番大きいことだと思います。

3/6(水) 20:32配信 毎日新聞
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