中日・松坂大輔投手(37)の今季防御率は2・79(16日現在)。単純に数字だけを見れば、巨人・菅野の2・80をもしのいでいる。

 この日の横浜DeNA戦(ナゴヤドーム)に中14日で先発し、6回3失点の好投で5勝目(3敗)。打線も1番・平田の先頭打者本塁打を含むサイクル安打などで援護し、11−5で大勝した。

 「早い段階で点を取ってくれて楽になった。投げやすかった」と松坂。登板間隔が空いているとはいえ、これで4連勝。5月13日の巨人戦で3敗目を喫したのを最後に、5試合負けていない。今季投球回数は48回1/3で、規定投球回数(107回)には遠く及ばないが、防御率が示す通り抜群の安定感を誇る。

 この日の最速は138キロが1球あっただけ。なぜ、これで打たれないのか?

 古巣西武の関係者は「うちにいた頃は、真っすぐとスライダーが主体だったけど、今は投球スタイルがまったく違う。150キロが出なくても抑えられる投球術を、完全にマスターしている」と指摘する。

 左打者の外からストライクゾーンに入ってくるカットボール。内から入るツーシーム。いわゆるバックドアやフロントドアを駆使。これは日本の投手がほとんど投げない球で、引退した広島の黒田ぐらいしか使い手がいないという。

 「メジャーの配球をヒントにして、こっちでもやっているんでしょう。打者は慣れていないので、手が出ない。そういう投手がいないから、練習のしようがない」とお手上げ状態だという。

この日の失点はロペスの2ランと、ソトのソロによる3点だけ。打ったのがメジャー流の攻め方に慣れている外国人選手だけだったのも、偶然ではないだろう。

 さらに前出の関係者は「カットボールも以前とは質が違う。高めのカットはジャイロボールと同じ回転になっている」と証言する。ジャイロとは、進む方向に対して直角に回転するとされ、松坂がレッドソックスに移籍した2007年のキャンプで投げたと全米騒然となった“幻の魔球”。11年の時を経て、人知れず復活していたのだろうか。

 いずれにせよ、メジャー流投球術でよみがえった松坂伝説は、まだまだ続きそうだ。

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