2/19(月) 11:44配信
 平昌冬季五輪のフィギュアスケート男子で17日に連覇を果たした羽生結弦(ANA)や2位の宇野昌磨(トヨタ自動車)がメダルを手にしたのは、競技が終わった直後ではなく、競技会場の江陵アイスアリーナから約20キロ離れた、山間部の平昌にある屋外特設会場「メダルプラザ」で同日夜に行われたメダル授与式だった。冬季五輪ではフィギュアだけでなく全種目のメダル授与式がメダルプラザで行われている。

 競技直後に競技会場で実施されるのは「ベニュー(会場)セレモニー」。大会テーマ曲が流れる中、表彰台に立った選手には、韓国の伝統衣装を着た女性らが運ぶ大会マスコット「スホラン」のぬいぐるみが贈られる。

 メダル授与式は一部例外を除き、競技の当日または翌日の夜に行われる。観客は当日の観戦チケットを持参すれば訪れることができる。大会組織委員会によると羽生らが登場した17日は周辺施設を含めて約3万人が詰めかけた。メダル授与式ではメダルのほか、平昌の山岳風景をモチーフにした木製の記念品も選手に贈られる。

 夏季五輪では競技直後に競技会場でメダルが授与される。冬季五輪では授与式を別会場で行う理由について、国際オリンピック委員会(IOC)は「屋外競技で天候に影響されることもあり、実施するのは難しいから。屋内競技も同じように実施するのは一貫性を保つため」と説明する。

 この方法では、選手も観客も、熱戦の余韻が残る競技会場でメダル授与の感動を得られず、不満の声も上がっている。また、メダル授与式に出席するための移動や時間が選手の負担となる懸念もある。アルペンスキー女子で複数種目の金メダルを狙うミカエラ・シフリン(米国)は15日に大回転で優勝し、夜のメダル授与式に出席。翌日は回転に臨んだが、試合途中で体調不良になるなど4位で終わった。羽生や宇野のメダル授与式があった17日は道路渋滞の影響で選手や関係者の移動が遅れ、授与式の時間が急きょ変更された。【田原和宏】

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