タクシー運転手は日々いろいろな乗客と接しているが、時に首をかしげたくなるような事案に直面することもある。関東地方で働く50代の男性タクシー運転手は、道を聞かれた際にバス停を教えただけで、
「顔が怖かった」という“苦情”を受けてしまったという。タクシー稼業のやりがいと悲哀。当事者の本音を聞いた。

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 4月のある週末の朝。今日は少しゆったりと仕事ができるなと勤務を始めた矢先のこと。駅前で待機していた男性運転手は、若い女性から病院までどう行けばいいのかを尋ねられた。
「あのバス停からバスに乗れますよ」。自分としては普通に答えただけだったのだが、その後に、勤務先の事務員から緊急連絡のメールが入った。

「今女性の方から苦情の電話が入りました」

 会社からのメッセージに思わず目を疑った。すかさず事務員に事情を聞くと、「(男性運転手の)言い方と顔が怖かった」という理由だったと聞かされた。

 男性運転手はバス待ちしていた女性に声をかけに行って、なぜクレームを入れたのかを直接確認。「怖かったです」との答えだった。もっといい対応をしないといけないのではないかという趣旨のことも
言われた。そもそも女性は乗客ではなく、道を聞かれた際に少しやりとりをしただけ。どこまで接客サービスを行う必要があるのか。男性運転手はその観点からも違和感を覚えたといい、
「あなたはお金を払っていないですよね。僕がそこまで言われる筋合いはないですよ」と伝えたという。

https://news.yahoo.co.jp/articles/c3cf1214c69d68c0dc8de03e5598b45ee773907f