共産党の田村智子委員長が18日の党大会で、党首公選制導入を訴えた党員の除名処分に異論を唱えた大会出席者を公開の場で「発言者の姿勢に根本的な問題があることを厳しく指摘する」と糾弾したことを巡り、党地方議員らに「発言者に大会で反論する機会がないのに、ここまで取り上げる必要があるのか」などとハラスメントを指摘する声が広がっている。

渦中の発言は大会2日目、16日の討論で飛び出した。

「何人もの人から『やっぱり共産党は怖い』『除名はダメだ』と言われた。問題は出版したことよりも除名処分ではないか。除名は対話の拒否にほかならない。排除の論理ではなく、包摂の論理を尊重することが党運営に求められている」

神奈川県の大山奈々子県議団長は党運営の在り方にこう苦言を呈した。念頭にあるのが昨年1月、元党員の松竹伸幸氏が党首公選制の導入など党運営の透明化を訴える書籍を出版した際、党から「重大な規律違反」として除名処分されたことだ。松竹氏は処分を不服として今大会で再審査を請求し、処分の撤回を求めたが、請求は却下された。

大山氏の発言は「心ある党員の心情にマッチしている。全面的に賛同する。共産党の良心ともいえる発言」(山口県萩市の宮内欣二市議)などX(旧ツイッター)上で共感も広がった。

ただ、田村氏は18日の党大会結語の討論で、大山氏の発言を取り上げて「『除名処分を行ったことが問題』という発言者の姿勢に根本的な問題があることを厳しく指摘する」「党員としての主体性を欠き、誠実さを欠く発言だ」「全く節度を欠いた乱暴な発言」「党外から出版という形で党の綱領と規約を攻撃した者を除名処分にしたことは当然だ。この政治的本質を全く理解していない発言者に大きな問題がある」など延々と批判した。

(後略)

https://www.sankei.com/article/20240119-6W6VVOGFRVHMFATSXNS6IXBTEE/