汚れたトイレ、食事不足 韓国のスカウトジャンボリーがカオスになるまで

https://news.yahoo.co.jp/articles/4acf92f274288d96e6422ac5063df2ab3639f0b8

溢れかえるゴミ箱、汚れたトイレ、虫だらけの会場――韓国で8月1日から12日まで開催中の「世界スカウトジャンボリー」で、約4万人の10代のスカウトたちを苦しめたのがこの環境だ。主催者は問題解決のため奔走したが、台風の接近により全員がキャンプ場から避難せざるを得なくなった。この混乱はなぜ起きたのか。

韓国南部で開催中の世界スカウトジャンボリーでは、4万人以上のティーンエイジャーが「間違いの喜劇」に悩まされた。
灼熱の気温、溢れかえるゴミ、不潔なトイレ、虫だらけの野原――。
だが結局、台風接近により全員がキャンプ地から避難することに。
ジャンボリーの計画書によると、熱波と台風という問題がなくても、主催者の準備が不十分だったこと、警告を無視していたことが判明した。
キャンプ場を後にしたスカウトらは別の都市や活動に移った。たとえば、コスタリカの派遣団はK-POPのダンスを習うことになった。
コスタリカのジョンソン隊長
「隊員らは当初、少し悲しかった。セマングムで他の国々の参加者と楽しい時間を過ごしていたからだ。
だが、このソウルでプログラムを続けられることを本当に喜んでいた」
現地報道によると、スイス派遣団のバスが避難中に衝突事故。隊員3人と、路線バスの乗客5人が負傷し、病院に搬送されたという。
今回は、パンデミック発生後初の世界的なスカウトの集会であり、155カ国の代表が参加した。
隊員らは最高気温34度の中で到着したが、数百人が熱中症や虫刺されなどで体調を崩した。主催者は追加の医療スタッフ、物資、給水車を送り込んだ。
英国派遣団の責任者マット・ハイド氏はロイターに対し、トイレが掃除されておらず、ゴミが山積みになっており、隊員らが十分な食事を取れなかったため、撤収を決めたと語った。
「隊員には、普通のジャンボリーを体験してもらいたかった。私たちから見れば、隊員にとって安全とは言えなかった」
主催者は、清掃スタッフの数を70人から540人に増やしたという。
セマングム開発機関の関係者は、イベントの準備に関わる人が多すぎ、衛生管理などの重要な面で「未熟な管理」が行われ、問題の解決が遅れたとの見方を示した。
公開されている政府報告書をロイターが確認したところ、韓国がジャンボリー招致を勝ち取った2017年の時点で、干潟を埋め立てたキャンプ場には問題が指摘されていた。