コップから水がこぼれたら元には戻らない。部屋は放っておくと必ず散らかる。サンマをコンロで焼くと、臭いは必ず部屋中に広がる……。これらの「当たり前」のことは、じつは同じ科学法則で説明することができる。

【数学間違い探し】大学生でも間違える計算「40-16÷4÷2」の答えは?

 そしてその科学法則は森羅万象、あらゆることにおよび、私たちの生活・社会・生き方にじつは大きな影響を与えている。つまり、この法則に反するようなことは、やっても必ず失敗するのである。

 その科学法則ーー「エントロピー増大の法則」について知るための格好の教科書『教養としてのエントロピーの法則ー私たちの生き方、社会そして宇宙を支配する「別格の法則」』より、一部を紹介する。

 今回は「エントロピーの法則」と私たちの生命活動の深い関係について

無秩序になること=死

人間の1細胞内には約1025個ほどの分子があると見積もられています。細胞内の分子の99%は水分子ですが、それを除いても1023個ほどの分子が細胞内で働いています。

 体重70kgの人であれば、体内に約3.72×1013個の細胞があると言われていますので、一人の人の体内には、なんと3.72×1036個もの分子があることになります。

 しかも、これらの細胞や分子はただ漫然と集合しているのではなく、整然と構造体を作ったり、統制の取れた働きをしています。すなわち極めて秩序だった行動を取っています。

 秩序だった行動を取らないと、生きていけません。細胞や分子の挙動の秩序が乱れることは病気になることを意味し、完全に無秩序になることは死ぬことを意味します。

 DNA分子は私たちの生命活動を制御する重要な情報を保管します。DNA分子に書かれている情報はアデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)およびチミン(T)という分子文字で書かれており、
この情報が正確に伝わらないと生命活動に重大な支障が生じます。分子文字のたった一文字の写し違いでも、生命活動に支障をきたすことがあります。

いかそ

https://news.yahoo.co.jp/articles/8c807473a93accfb6058f10979dabcf28894a0f4