「水素スタンドがない」市長公用車が苦慮 隣の市へ40キロ往復し充填
2022年12月27日 16:00 京都新聞

水素スタンドの整備が進まない中、市長公用車が燃料電池自動車(FCV)の京都府亀岡市が、燃料の充填に苦慮している。
府は20年までに、丹波地域にスタンドを1カ所設置する目標を掲げていたが実現せず、京都市のスタンドに行くためだけに40キロ近く走行することもあるという。

亀岡市は21年9月、約1800万円を寄付した市民の意向を受け、国の補助金も活用して市長公用車にトヨタ「MIRAI(ミライ)」を導入した。
市は「環境先進都市や脱炭素宣言を掲げる市が、先駆けて行動する必要がある」とするが、市内にはスタンドはない。
市役所から約18キロ離れた京都市伏見区のスタンドを利用しており、片道約40分かかるという。

市秘書課は「できるだけ京都市や大阪へ出張に行った際に充填するようにしている」と説明する。
だが新型コロナウイルスの影響で出張が減り、21年9月~22年10月までに充填した計50回のうち、35回は充填するためだけに走らせた。

燃料の問題を事前に指摘していた市議会からは「運行には税金が使われている。人件費と職員の時間の無駄」と批判も上がる。
桂川孝裕市長は「批判はその通りと思うが、市長車のため市が独自にスタンドを造るわけにもいかない」と、今後も伏見に通うしかないとしている。

https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/946993
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