迷い犬保護しようと…ひき逃げで死亡女性 被告はスマホで脇見しドラレコ改ざん 裁判で隠蔽判明 群馬・高崎市
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群馬県高崎市の県道で9月、路上にしゃがみ込んでいた女性=当時(26)=が大型トラックにはねられて死亡したひき逃げ事件で、女性が路上に迷い込んだ犬を保護しようとしていたことが分かった。脇見運転ではねた上、逃走したとして自動車運転処罰法違反(過失致死)と道交法違反(ひき逃げ)の罪に問われた男が事故後、ドライブレコーダーのデータを削除するなど隠蔽(いんぺい)を試みていたことも判明。6日までに初公判が開かれ、検察側は懲役4年を求刑した。

被告は当時勤務していた運送会社の業務で荷物を運んでいた長野県中野市の無職の男(55)。前橋地裁高崎支部(地引広裁判官)で開かれた初公判で、起訴内容を認めた。検察側の求刑後、弁護側が執行猶予付き判決を求め、即日結審した。

 検察側は冒頭陳述や論告などで、被告がスマートフォンを操作しながら脇見運転し、見通しが良く50メートル手前から人がいることを認識できたにもかかわらず、直前まで女性に気付かなかったと指摘。女性が「犬が迷い込んでいる」と警察に通報した直後、はねられたことも明らかにした。


さらに事故後、被告が配送先の施設で痕跡を洗い流して勤務先に虚偽の報告をした上、ドライブレコーダーのデータを削除し、警察にも偽の記録媒体を提出したなどとして「犯行後の行動も卑劣で悪質」と批判。復元したレコーダーの映像も公開し、しゃがんでいる女性が映っている様子を示した。

 論告などによると、9月20日午前0時55分ごろ、高崎市京目町の県道高崎駒形線で、スマホ画面を脇見しながら大型トラックを運転し、犬を保護しようとしゃがみ込んでいた前橋市の女性に直前まで気付かずにはねた上、救護措置を取らずに逃走して死亡させたなどとされる。