経団連の影響力占う試金石、「中途」改め経験者採用呼びかけへ…消極的な印象払拭

 経団連は、新卒者ではない従業員の採用で一般的に使われている「中途採用」という言葉の使用をやめ、「経験者採用」に統一するよう会員企業に呼びかける方針を固めた。「中途」が与える消極的な印象を払拭(ふっしょく)し、円滑な労働移動を促して経済の活性化につなげる狙いがある。

 2023年春闘の経営側の交渉方針などを示す「経営労働政策特別委員会報告」(経労委報告)の素案に盛り込んだ。まず来年から経団連の会員企業向けの書類やアンケートなどで「経験者採用」の表記に統一する。会員企業にも採用活動などでの使用を推奨する。

 企業では、入社後の職務を明確にする「ジョブ型採用」など、採用方法が多様化している。経団連は、退職した元社員を採用する「カムバック採用」「アルムナイ採用」、社員から知人や友人を紹介してもらう「リファラル採用」などの活用も求める。

 ただ、経団連が提唱した呼称が一般に広がるかは未知数だ。00年代に入ってからは「春闘」の使用をやめ、「春季労使交渉」と呼んでいるが、使用は一部にとどまる。「経験者採用」が定着するかどうかは、経団連の影響力を占う試金石にもなる。





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