「疲れたから甘いものを食べてリラックスしよう」「カフェインを取るとすっきりして疲れが取れる」……。これらは本当なのか。産業医で精神科医の井上智介さんは「よく言われている疲労回復やストレス解消の方法の中には、誤解も多い。逆にストレスの元になっていたり、本当は疲れているのに疲労を感じにくくするだけのものもある」という――。

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■「甘いもの」がストレスのもとに

 「疲労回復やストレス解消にいい」と言われる食べものや行動はいくつかありますが、中には誤解もあります。

 代表的なのが、「甘いもの」です。

 仕事で頭を使い、脳が疲れると、チョコレートやアメ、グミなど甘いものを口にしたくなります。脳はエネルギー源として糖分(ブドウ糖)をたくさん消費するので、糖分を欲してしまうわけです。

 しかし甘いものをたくさんとると、ストレス解消どころか、さらなるストレスを生み出す恐れがあります。


 特に気をつけてほしいのが、エナジードリンクです。眠気覚ましとして朝食代わりにエナジードリンクを飲むという人も珍しくありませんが、エナジードリンクには、かなりの量の糖分とカフェインが入っています。

 自動販売機でも買えるメジャーなエナジードリンクを例にとって調べてみると、糖質は約46g含まれています。角砂糖1個の糖質が4gですから、エナジードリンク1本あたりに、角砂糖11個分以上の糖質が入っていることになります。なかなかの量ですよね。それを短時間で飲むので、血糖値は急激に上昇するでしょう。血糖値の乱高下を招いてしまうので、体にストレスを与えることになってしまいます。

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