バスや地下鉄で誤って他人の足を踏んづけたり、肩に当たったりしてしまったら「すみません」というのが常識だし、マナーだ。だが、中国ではそうではない。中国での生活に慣れていない外国人たちがよく経験することだ。バスや地下鉄だけではない。中国語会話の本にははっきりと「対不起」(すみません)と書いてあるが、中国で実際にはほとんど使われない。「対不起は死語だ」という人もいる。謝罪がないのはもちろんのことで、にらみつけられなかったならそれだけでも幸いだろう。

 冬や春になると、全韓国人を悩ませるPM2.5などの微小粒子状物質の相当量が中国で発生することは、かなり以前に科学的に立証されている。中国で発生したPM2.5が韓半島(朝鮮半島)に移動してくる様子を撮影した衛星写真は数え切れないほど公開されてきた。韓国が打ち上げた気象衛星「千里眼」も2020年から証拠映像を送ってきている。それでも中国政府は「ソウルのPM2.5はソウルで発生している」と言う。しかも、「中国のせいにばかりしていたら、PM2.5を減らす機会を逃すだろう」とまで言った。

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 中国人たちはもともと謝罪を嫌がったり、他人のせいにしたりしなかった。1960-70年代の文化大革命のトラウマ(心的外傷)のためだという分析もある。数多くの人々が人民裁判を受けて投獄・処刑されるのを見て、「過ちを認めれば死ぬ」という強迫観念が生じたということだ。文化大革命よりもっとひどいことを70年以上やっているのが北朝鮮だ。先日、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記の妹・金与正(キム・ヨジョン)党副部長が北朝鮮内の新型コロナ感染拡大を韓国から飛んできたビラのせいだと主張し、「報復」すると脅した。1983年のラングーン爆破テロ事件、1987年の大韓航空機爆破事件、2008年の金剛山韓国人観光客射殺事件、2010年の韓国海軍哨戒艦「天安」爆破・沈没事件や延坪島砲撃事件の時も「特大型謀略劇」と言った。彼らには言い張って他人のせいにするDNAがあるのだろうか。

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