(CNN) ウクライナのゼレンスキー大統領は、ウクライナ軍が今月に入り同国東部と南部で
6000平方キロの領土をロシア軍から奪還したと発表した。

専門家によれば、これは今年2月の侵攻以降にロシア軍が占拠した地域の1割近くに当たる。

ゼレンスキー氏はビデオメッセージの中で、ロシアが残虐な戦争を仕掛けられるのは「ロシアへの圧力が
不十分なことが唯一の理由だ」と述べ、国際社会に圧力を強めるよう訴えた。

さらに、ロシアの侵攻に対する解の一つは「ウクライナへの支援を増やすこと、特に防空システムの提供を
早めること」だと強調した。

欧州諸国でのロシア国民に対する査証(ビザ)発給にも触れ、「ロシアをテロ支援国家と公式認定する動きがまだない。
テロ国家の市民が欧州に休暇や買い物に出かけ、欧州のビザをまだ取得できる。その中にウクライナの占領地から
帰ったばかりの処刑人や殺人者がいるかは誰もわからない」と述べた。

一部の欧州諸国はロシア人に対する観光ビザの禁止をしているが、大半の国はそうした措置を行っていない。

ゼレンスキー氏はまた、ロシアには「エネルギーテロ」の責任があると言及。世界中の多くの国で住民が
エネルギー価格の高騰に苦しんでいて、ロシアが故意にそれを引き起こしたと糾弾した。

さらに「昨日と今日、ロシア軍はウクライナのエネルギーインフラを攻撃した。数十万人が電気のない、
明かりのない状態にいる」と主張。「住宅や病院、学校、地域社会のインフラなど、ウクライナ軍のインフラと無関係の
目標を精密に狙っている」と述べた。

こうしたウクライナの電気供給に対する攻撃は「この戦争を引き起こした人々が自暴自棄となっている兆候」であり、
「ハルキウ州での敗北に対する彼らの反応だ」との見方を示した。
https://www.cnn.co.jp/world/35193164.html