茨城県取手市に“東京ディズニーランドよりも大きなイオンモール”が2025年度に開業するとして話題を呼んでいるようだ。

実は取手市にイオンの大型施設が開業することが決まったのは2018年のことだった。同年、取手市は桑原周辺地区土地区画整理事業の協力者の公募で最優秀提案者にイオンモールとイオンタウンのジョイントベンチャーを選定。取手市が発行する取手市政策情報紙(19年9月)によれば、敷地内には主に以下の4つの空間が設けられるという。

・商業空間:買い物や食事を楽しめるような時間を過ごせるテーマパークのような大規模な商業施設
・憩いの空間:自然の中で地元企業と提携をしたお店で飲食が楽しめるような、「食と憩いの空間」
・緑・親水の空間:市民や来訪者の方が、ゆったりした時間を過ごせるような親水公園
・多様な交流空間:既成市街地や病院などの便利な機能が集まっている利点を生かし、生活を豊かにする個店が立ち並びます

公募時におけるイオンの提案「とりでTWIN-TOWN PROJECT」によれば、敷地内はさまざまな専門店が立ち並ぶ北側の「North-Town」と、ショッピングモールを中心とする南側の「South-Town」に分かれ、整備構成図には住宅街区や消防署や警察署、温浴施設、調整池などもあることから、驚くべきは約67.6万平方メートルという敷地の広大さ。日本最大の商業施設面積を誇る「イオンレイクタウン」(埼玉県越谷市/約24.5万平方メートル)の約2.8倍で、イオンモール幕張新都心(約19.2万平方メートル)の約3.5倍、約51万平方メートル(テーマパークエリア)の東京ディズニーランド(千葉県浦安市)よりも大きいと話題を呼んでいるのだ。

もっとも、敷地全体がイオンモールというわけではないが、小売り業界関係者はいう。

「整備構成図を見る限り、『広域集客型ショッピングモール』エリアの敷地面積は全体の1割ほどなので、イオンモール自体は幕張新都心店よりも小さくなるのではないか。流通大手のイオンといえども、街全体ともいえる規模の開発を手掛ける経験はまだ浅いだろうから、ここで培ったノウハウを国内のみならず海外でも活用して開発事業を広げていきたいところだろう。

ただ、少なくても開業当初は多くの人が自動車で押し寄せると予想され、道路の渋滞や人の混雑、駐車場から各施設へのアクセスといった面で難が生じる懸念がある。周辺住民たちが“普段の買い物のためのスーパー”という感覚で使えるのかといえば、ハードルは高いかもしれない」

日本工業経済新聞記事によれば、新規雇用は全体で5000〜7000人が見込まれているというが、どこまで地域密着型の施設になれるかがカギとなるだろう。

(文=Business Journal編集部)

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