ウクライナ侵略の教え:「専守防衛」は国土荒廃もたらす

(略)

ウクライナに見る「専守防衛」

 ウクライナは自由を渇望しながらも親露的であったことから侵略されるなどとは夢にも思っておらず、またロシアを刺激してはいけないという遠慮が働き、領域警備程度の戦力しか保有していなかった。

 ウクライナが本格的に軍事力の必要性を感じたのは2014年にクリミア半島を強奪されて以降で、軍事力構築の努力は現ウォロディミル・ゼレンスキー大統領になった2019年からである。

 ロシアが親露勢力のいる東部だけでなく、南部のクリミア、そして北部ベラルーシの国境沿いに、演習と称して10万人超の軍隊を展開する状況を掴んだ米国は、今年に入るとウクライナ侵攻が近づいていると盛んに警告を発してきた。

 米国が伝えるロシア軍の動きからは、攻撃してくる可能性がほぼ100%と想定されながらも、ウクライナは決して先に動こうとはしなかった。

 ロシアが侵攻した2月24日からウクライナは反撃を始めたが、その反撃もロシアの攻撃行動を封じるだけで、それ以上のことをしたわけではなかった。

 すなわち、相手が攻撃するまでは手出しせず、攻撃を受けても最小限の反撃にとどめたわけである。

 また、保有する軍事力も国力の差からロシアに比して著しく制約されていた。

>>2以降

https://news.nicovideo.jp/watch/nw11103940